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2015年11月17日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、経営者保険プランナーの中村です。
弊社では、医療法人様向けのセミナーを定期的に開催しています。
セミナーにお越しいただいた出資持分あり医療法人の理事長先生から
「出資持分が高騰していて、将来の相続税が心配だ。」
というご相談をいただきます。
利益水準が高いと出資持分の評価額が高くなることはよく知られていますが、
たとえ利益がマイナスであったとしても、
多額の相続税を支払わなければいけないケースがあることをご存知でしょうか。
たまたま1期のみ赤字になった場合は、通常評価額が低くなりますが、
2期以上赤字が続くようでしたら、逆に評価が上がってしまうことがあるのです。
本日は、「注意すべき医療法人の持分評価」についてお話したいと思います。
☑出資持分の評価方法
持分あり医療法人の出資持分は、
基本的なところは非上場会社の株式と同じ方法により計算されます。
非上場会社の株価は、「類似業種比準価額」と「純資産価額」とで計算されます。
企業の規模によって、大会社・中会社・小会社に分けられ
それぞれの決まった割合で評価されます。
類似業種比準価額は、上場企業の株価と配当、利益、純資産を基に、
評価対象会社のそれら3要素とを比べて、
その比率により株価を計算する仕組みです。
ところが医療法人は、剰余金の配当が認められていないため(医療法第54条)、
類似業種比準価額を計算する際に、利益と純資産の2要素だけで計算されます。
☑利益がマイナスでも相続税が数十億円?!医療法人が注意すべきポイント
類似業種比準価額で評価する際、
利益と純資産2要素のうち、いずれかが0かマイナスだと、
"比準要素1"となり類似業種比準価額25%+純資産価額75%で
計算しなければなりませんので、注意が必要です。
ここで見逃してはいけないのが、
医療法人は非上場企業に比べ、この"比準要素1"に該当しやすいということです。
たとえば、類似業種比準価額が1億円、
純資産価額が50億円の大会社区分の医療法人があったとします。
通常、出資持分の相続評価は1億円となりますが、
相続が発生したときに利益が出ておらず、
たまたま"比準要素1"に該当した場合、
持分評価は何と37億円になってしまうのです。
☑おわりに
言うまでもありませんが、
相続は、いつ、どのタイミングで発生するか誰にもわかりません。
多額の相続税を負担するご家族にとっては、
「たまたま経営状況が悪かった」では済まされない話です。
特に、設立から長く経過していて、純資産が潤沢にあるような法人様の場合は、
計画的な医業承継、相続対策が必要不可欠といえるでしょう。
ヒューマンネットワークグループでは、今回ご紹介した"相続税対策"以外にも
医療法人向けのコンサルティング事例を複数ご用意いたしました。
〇法人、個人の所得にかかる税負担が重いと感じる
〇MS法人を有効活用したい
〇顧問税理士以外からの税負担軽減の提案を聞いてみたい
このような方に大変喜んでいただいている内容です。
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