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2016年04月07日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、相続診断士の望月です。
4月を迎え、桜がきれいな季節になりました。
私は花粉症ですが、毎年お花見に行きます。
今年は、ニュースなどで特に花粉量が多いと聞きます。
目薬や飲み薬、マスクなどを常備して万全の態勢で臨みたいと思っております。
さて、日頃より経営者様とお目にかかり、さまざまなお話をお伺いします。
最近特に多いのは、「相続で苦労した。」という体験談です。
そこで今回は数ある中から抜粋して、ある企業様の失敗談をご紹介します。
九州地方で製造業を営む社長様のお話です。
社長様は2代目で、先代が父親である創業70年の会社です。
創業者である先代は、自らが前線に立つことで
お客様の信頼を得ていくことをポリシーとしていたそうです。
そのため、日中のほとんどを外出していることが多かったそうです。
そんなある日、仕事中に急性心筋梗塞を発症し、急死されてしまいました。
今の社長様によると、発症の前日まで普通に仕事をしていて、
大好きなお酒も飲まれていたそうです。
ここで、問題が発生しました。相続税の計算をしたところ、
現在の資金ではとても払えない税額だと判明しました。
具体的な額は不明ですが、今回の相続は、二次相続だったため、
相当税額が高かったそうです。
通常は生命保険等で納税資金の確保をしておくのですが、
先代は、外出してばかりだったため、
無保険状態でほかの対策も何も施していなかったのです。
納税資金に困った今の社長様は、
自社株の物納申請をしましたが認められませんでした。
さらに金融機関からもあまり融資を受けられませんでした。
結果的に、会社からの借り入れとご自宅を売却した資金で支払いました。
法人も個人も資産が空っぽになったそうです。
では、もしこのケースで先代が生命保険に加入していたらどうだったのでしょう。
この場合、保険会社から保険金が支払われ、
それで相続税の納税が完了したと考えられます。
自宅の売却はもちろん、物納申請や借入などを起こす必要はなかったでしょう。
今の社長様は今回の失敗を踏まえて、
次の世代には苦労させないように生命保険に加入しました。
今日では、法人での生命保険活用が、
利益繰り延べ商品としてフォーカスされることが多くなりました。
しかし、保険の本質である"保障"という大事な要素があることを改めて学んだ事例でした。
相続は、いつ起こるかわかりません。
相続税が払えず、資金繰りを悪くさせてしまうと、
事業継続が困難になるケースも多くあります。
万が一の時に、社長様のご家族や社員様、取引先を守るためにも、
今のうちから準備しておくことをお勧めします。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。