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2017年01月23日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
税理士の島崎です。
税理士が忙しい季節がやってきました。
ポジティブに考えて、楽しく乗り切りたいと思います。
オーナー社長が亡くなりました。
相続人は妻と長男と次男。
生前に遺言書が作成してありました。
その内容は、会社の株式の全部は後継者である長男へ、
それ以外の財産は妻へ遺贈するとしたものでした。
遺言書に従って財産を分けると、次男の受け取る財産はありません。
当然、次男には不満が残ります。
そして会社の株式を引き継ぐ長男にも、大きな問題が発生します。
遺贈を受けた会社の株式はかなり高額なものとなっており、
これにかかる相続税を支払うことができないのです。
遺言書が無ければ、相続人である3人の協議で
何とかうまく財産を分ける方法がありそうです。
では、この遺言書を無視して
3人で遺産分割協議により財産を分けることは認められるでしょうか。
このケースでは3人の合意があれば、
遺言書を無視して遺産分割協議により財産を分けることができます。
平成3年4月19日の最高裁判決では、
遺言書があるのであれば遺産分割協議の余地もないとするものでした。
しかし実務においては、
その遺言書における財産の受取人の全員が合意すれば、
あらためて相続人による遺産分割協議が有効であるとしています。
遺言執行者が定められている場合には、遺言執行者の同意も必要となります。
せっかく遺言書を作成するのですから、
その遺言書が無視されてしまうのは悲しいことです。
遺言書を作成するうえで本人の遺志も大切ですが、
その内容が実行可能で、
残された遺族に争いがないものにしなければなりません。
この社長も専門家の意見を聞いて遺言書を作成していれば
このようなことはなかったでしょう。
遺言書をすでに作成した方も、これから作成する方も、
専門家のアドバイスを受けることをお勧めいたします。
当グループででは遺言に関するご相談を随時お受けしております。
ぜひ、ご利用ください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。