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『人情の機微をわきまえる』ヒューマンネットワーク・メールマガジン(通号145号)

━━━━━━━━━━━━━━ 2015/6/18号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ヒューマンネットワーク・メールマガジン】 日本全国5231人の経営者が購読中!

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  オーナー経営者の退職金、事業承継、相続の課題解決を応援するメールマガジンです。
  今回より、内容をリニュアルしてお届けいたします!
 

 ■「人を活かす12の鉄則」松下幸之助 より

 (1)人間の心の動きをつかむ

 『人情の機微をわきまえる』

 考えてみれば、人の心というものはまことに不思議なものです。
 "人情の機微(機微)"という言葉がありますが、うれしくなったり、
 悲しくなったり、あるいは怒りを感じたり、また、大きくふくらんだり、
 しぼんでしまったり、機微に動くのが人の心です。

 ですから、共同生活の中で気持ちよく生活していくためには、
 お互いのことをよく知って、他人の気持ちを考えながらふるまうということが
 きわめて大切なのではないでしょうか。

 以前、このような話を聞いたことがあります。
 それは、明治政府ができて、初めて所得税というものが設けられたときのことです。

 当時、大阪ミナミの宗右衛門町に富田屋という一流のお茶屋がありました。
 その富田屋にある日、大阪の名高い町人というか、いわゆるお金持ちの人たちが、
 大阪の税務署から招待されたというのです。

 お金持ちたちは、招待とはいうものの、今よりもはるかに強い権力をもっていた
 お役所からの招きです。

 いったい何ごとかと不安な気持ちを抱きつつ、かしこまって座敷に座っていました。

 そこへ出てきたのが、税務署長とおぼしき人物。
 ところがその人は正面の床の間を背にした席でなく、いわゆる末席にピタリと座って
 「本日、わざわざお越しいただいたのはほかでもありません。
 このたび皆さんの収入に応じて所得税というものを
 新たに納めていただくことになりました。ついてはよろしく・・・。」
 とあいさつし、一席ふるまったというのです。

 それだけの話なのですが、これを聞いたとき、そこにある種の味わいを感じました。
 というのは、いわゆる官尊民卑の風潮が強かった当時のことですから、
 新しい税制をつくるにも、通達を出すなりお役所へ呼びつけて命令しても、
 それはそれで通るわけです。

 ところがそういうことはせずに、税務署長みずから例を尽くして趣旨を説明し、
 協力を求めた。そこに、何かしら人情の機微にふれた心くばりといったものが
 感じられて、心あたたまる気分になったのです。

 私は、こうした人情の機微にふれる態度や配慮というものが、
 お互いの日々の生活においても、やはりきわめて大切ではないかと思います。

 人間は、たとえば人から何かを頼まれるというような場合、いわば、
 ”利害によって動く”という面と”利害によって動かない”という
 二つの面をもっていると思います。

 話をもちかけた人の態度にどこか横柄なところがあったり
 高飛車なところが感じられたりすると、それが自分にとってどんなに
 得になる話であっても、断わってしまうことがあります。

 反対に、たとえ自分にとって負担がかかり、損になることであっても、
 頼む人の態度が非常にていねいで誠意あふれるものであったなら、
 ついついその誠意にほだされて、引き受けてしまうこともある。
 お互い人間には、そうした理屈では割り切れないような、微妙な心の
 働きがあるのではないかと思うのです。

 ですから、人にものを一つ頼むにしても、そうした二つの心の働きのアヤ
 というものをよくわきまえて行動することが大切で、
 そのような人情の機微にふれた行き方をお互いに実践することによって
 よりスムーズな人間関係も築かれていくのではないかと思うのです。

          (PHP総合研究所編『人を活かす12の鉄則』より)

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 ■ヒューマンネットワーク 朝礼3分スピーチより

 『祖母のパンフラワー』

 祖母の趣味はパンフラワーです。
 パンフラワーとは樹脂粘土で作る造花のことです。

 祖母は手先が器用で、本物かと見間違う程のパンフラワーは
 思わず水をあげてしまいたくなります。

 祖母のパンフラワーが大好きな私のために、
 祖母は、誕生日など記念日の何ヶ月も前から造りはじめ、
 プレゼントしてくれます。

 いつしか部屋中に飾られている祖母のパンフラワーは
 私にとってお守りのような存在です。

 私の誕生日に作ってくれた窓辺のバラ。
 「花は雨に打たれても、綺麗な色を保って咲いているでしょう。
 あなたも梅雨の時期に生まれたのだから花に負けないで踏ん張るのよ。」
 と添えられたメッセージと鮮やかなバラに何度も勇気をもらいました。

 私の勉強机にある赤いガーベラ。
  花言葉は「常に前進」です。
  その花言葉通り、頑張れないとき、
  自信が持てないときにそっと私の背中を押してくれます。

  成人式の着物に合うように作ってくれた髪飾りの桜のパンフラワーは
  今では会社のデスクで私を見守っていてくれています。

  小さな祖母のパンフラワーが与えてくれる大きな勇気。
  本当にありがたく思います。

  今度、祖母の家に行くときには作り方を教えてもらいたいなと思います。

                            
                              (小林)

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