一人医療法人のリスク

今、動かなければ家族の負担は計り知れない

自分に何かあったら大丈夫か?

T内科クリニックのT院長。個人医院を居抜きのような形で譲り受けて開業した。
診療収入が安定してきた頃に、節税対策になるということで、医療法人化。
地元の患者たちにも愛され、安定したクリニック経営を続けてきた。

現在は心療内科の先生にも定期的に勤務してもらっていて、患者も増えてきている。
患者が増えてくると、必然的に法人税の納税額も高額になってしまう。
色々な節税対策の必要性を感じ、税務の専門家と相談しながら手を尽くして売却損を計上したりした。
そして、年齢が60歳を超えた。

会社勤めをしているとしたらリタイヤして、第2の人生を歩み始める年齢だ。また、最近ではコロナ感染症で先行きの不安も増えた。そんな時、ふと頭をよぎったことは、「自分に今のまま、万一が起きた場合、妻や子供は大丈夫だろうか?」ということだった。


保険金を請求できるのは、理事長だけ!

今、自分に相続が起きた場合、医療法人にどのようなことが起きるか、自分は経験したことがないので分からない。ということで、弊社の「医業承継診断サービス」を受けていただいた。

自分が出資している持分の評価はどのくらいか?
自分の退職金はいくら支払われるのか? 
法人に加入している生命保険はどうなるのか? 

気になることをいくつか尋ねられたが、「医業承継診断サービス」の結果、現状のどこに家族へ負担をかけてしまうリスクがあるのか、はっきりと分かった。一番驚ろかれたのは、法人で生命保険を加入していても、保険金請求ができない可能性があるということだった。

現在、法人では、理事長を被保険者とし、保険金受取人を法人とする生命保険に加入されている。これは、理事長に万一が起きた場合、その保険金を死亡退職金の財源にしたり、当面の従業員の給料に充てたりすることを想定して、契約しているつもりだったからだ。

ところが、「医業承継診断サービス」の結果、今の法人契約の保険は、新理事長が決まらないと保険金が請求できないのである。理事長になるためには、医師免許が必要だが、現在の法人社員や理事の中には、理事長以外に医師免許を持っている人間がいない。つまり、現時点では、誰も新理事長になれる人材がいないのである。

では、保険金はどうなるのか? 医療法人が廃院・解散手続きに入ると、社員総会により「清算人」が選任されるが、「清算人」なら保険金請求行為ができる。つまり、F理事長に相続が起きた場合、法人を畳まなければ、保険金を受け取れないことが分かった。これでは、家族は死亡退職金が受け取れないかもしれない。


リスクの特定が最優先

病気治療を行う上で大切なことは、原因の特定と診断、治療方針である。法人の将来に必要なことも、リスクを特定する診断と解決策の方針である。
この前提無しで、節税優先の対策を実行しても、根本的な解決にならない。

コロナの影響で、医業収入が減少したり、自分やスタッフがコロナのリスクに晒されたり、色々な危機が身近に感じられる時代だ。だからこそ、客観的な視点と助言に耳を傾けて、自分が対応すべき課題に優先順位をつけて、行動する必要があるのだと考える。


 


 

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