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2019年11月08日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
相続診断士・経営者保険プランナーの肥後です。
昨今の新聞で、「法人税等実効税率を20%台に」
といった記事を目にした方も多いと思います。
また、先日お客様とお話していて、
「うちの法人税は今期何%で、いつから何%引き下げになるの?」
という質問をいただきました。
そこで今回は、今現在の法人税率が何%かを再確認し、
それが今後どうなることが決まっているのかを整理してみたいと思います。
2019/11/8追記
消費税がいよいよ10%になりました。
今回は軽減税率やキャッシュレスへの補助金等の効果で、以前ほどの駆け込み、
増税後の買い控えはおきていないようです。
一方、法人税においては減税が潮流となっています。
アメリカはトランプ政権になって35%から一挙に21%。
日本も安部政権は法人税の実効税率を2割台にすると公言してきました。
さて今、日本の法人税率(実効税率)は何%かご存知ですか?
また今後さらに引き下げになるのか否か?
まず法人の税には、
法人税と事業税、地方法人特別税と住民税の4つの税がかかり、
これらを総称して、法人税等と言っています。
さきほどの新聞記事の話にありますように、法人税率という場合、
「実効税率」ともうひとつ「表面税率」の2種類があります。
この違いは、さきほどの4つの税金、
法人税・事業税・地方特別法人税・住民税のなかで、
「事業税」だけは払った分が損金計上を認められているので、
その節税効果を加味したのが、「実効税率」です。
いずれの税率も会社の資本金によって異なり、
資本金1億円超と1億円以下に分かれます。
冒頭の新聞で出てくる税率は主に大企業を対象にした
資本金1億円超の会社を言っているケースが多いです。
われわれが普段、お会いする会社は、ほとんど資本金が1億円以下です。
この場合の「実効税率」は、平成27年3月31日までに開始する事業年度は、
所得が800万円を超える部分ではこの実効税率は約36%で、
平成27年4月1日から開始する事業年度からは約34%に下がります。
2019/11/8追記
「実効税率」は平成30年3月31日までに開始する事業年度
で、所得が800万円を超える部分で約34%。平成31年以降も同様です。
(平成31年4月1日国税庁現在法令による)
もうひとつの税率「表面税率」は、
この事業税の損金計上による損金効果を考慮しない税率で、
平成27年3月31日までに開始する事業年度は、
所得が800万円を越える部分では約40%、
平成27年4月以降は約38%となります。
2019/11/8追記
「表面税率」でみますと、平成30年までは約38%、平成31年以降も同様です。
事業税が損金になるのは、
実際に決算が終わって納税をする決算期末から2ヵ月後ですから、
実際に今期、納税する率は「表面税率」となるわけです。
よって、下がってきているとはいえ、
資本金1億円以下の中小企業の場合、所得が800万円を超えると
それ以上の部分にはまだまだ4割近い税率がかかるといえます。
2019/11/8追記
事業税が損金になるのは、決算が終わって2ヵ月後の納税時ですので
今期の実際の納税額は「表面税率」で考えるべきでしょう。
中小企業においてはまだまだ2割台にはほど遠いことが分かります。
ちなみにこれが大企業の場合には
平成30年以降の実効税率は29.97%とかろうじて2割台になります。
(これは法人事業税が大企業のみ6%→3.6%に下がったため)
今後さらに法人税率が引き下げになるかは定かではありません。
ただ言える事は、企業は不測の事態に備えある程度の
資金をストックしておかなければならないということです。
この資金を税引き後のいわゆる内部留保で蓄えていくのか
簿外にストック(税引き前のお金をストック)していくのか
戦略的に行っていく必要があるでしょう。
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