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2016年02月16日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、経営者保険プランナーの山根です。
先日、弊社の「知っているようで知らない オーナー社長の退職金」発刊に伴い、
【法人税30%時代の役員報酬の効率の良い決め方】についてご案内しました。
日々経営者様のもとにお伺いしておりますが、
ご面談の際に役員退職金の話題はよくでます。
今回は、最近のご面談にてご質問を頂いた
『役員退職金が否認された場合』について少しご案内致します。
2013年に税務調査の手続きを定めた国税通則法が1月に改正され、
国税庁のHPによると、実地調査率は減少傾向にあると発表されています。
実際、平成元年度の実地調査率約8.5%だったのが、
平成25年度は約3%に減少しています。
実地調査率が減少しているから安心かというと、そうではありません。
実は、1件当たりの調査期間が平均2.6日伸びているのです。
すなわち、一法人にかける時間が増え、
より細かな部分を指摘される可能性があります。
税務調査官は実地件数が減った分、
税金の申告漏れを見つけ出そうとより躍起になっています。
中でも役員退職金に関しては、
分掌変更時の退職金支給や役員退職金額が適正かということだけではなく、
事実上退職しているのか、退職金決定プロセスまで確認し、厳格化の傾向です。
役員退職金を支給すると、
法人は当該事業年度の法人税等の負担を軽減できるばかりでなく、
多くのケースで自社株評価額も引き下げることが出来ます。
そのため、法人・個人ともにゆくゆくの事業承継・相続税対策に効果があります。
法人税だけではなく、その他の納税額にも繋がることは、
調査が厳格化する要因の一つと言えます。
そんな役員退職金。否認されたらどうなるのでしょうか。
一言で役員退職金の否認と言っても、ポイントは2つあります。
(1) 損金算入した役員退職金(の一部)が不当に高額。
すなわち過大役員退職金と認定。
(2) 役員退職金ではなく、退職事実そのものが否認
特に、(2)退職事実そのものが否認された場合、
法人・個人のダメージは計り知れません。
通常、(1)過大役員退職金として認定された場合、
法人は過大金額分が損金不算入として追徴課税が課されます。
個人は特に影響はありません。
しかし、(2)のように退職事実そのものが否認された場合...
法人としては役員退職金全額が役員賞与扱いとなり、
損金不算入になるという法人税の問題にとどまりません。
退職金が退職所得として認められないため、
個人は、給与所得として他の所得と合算した累進税率の適用された
所得税が追徴されることになるのです。
また、法人・個人ともに延滞税だけではなく、
仮装・隠ぺいとして重加算税(本税に対して35%)を
取られるケースも少なくありません。
そのため、過大退職金以上に気を付けなくてはいけません。
役員退職金支給を期に、自社株評価額を引き下げ、
株の移転を検討している方も多いと思います。
ですが、気を付けて頂きたいのがそれまでの期間です。
社長がご勇退されるまでに万が一のことがあった場合、
後継者やご遺族が多額の納税資金を負担することになります。
自社株の移転時期や方法、退職金の支給だけに目が行き、
実行するまでの備えが出来ていない法人は少なくありません。
退職金の準備には様々な方法があります。
中でも効率的な積立だけではなく、
高額な保障がある保険活用は退職金支給前の備えに繋がります。
ただし、保険活用といってもどのような活用方法がより効果的なのか、
保険料の支払方法や解約金などの受け取り方によっては効果が大きく異なります。
弊社では、20社の複数の保険の中から、
お客様の状況に合わせた効果的な退職金の準備の方法をご提案しています。
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