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2016年03月25日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
経営者保険プランナーの肥後です。
決算期が近づきますと、今期の利益を圧縮する(=損金を増やす)対策として、
「家賃の前払い」を検討される会社は多いと思います。
これは、期末から向こう1年内に発生する毎月の家賃を
「前もって今期に計上する」(月払から年払に変更する)ことで、
損金を増やし、今期の税金を節税する方法です。
これは「短期前払い費用」ということで税務上、損金処理が認められた方法です。
(法人税基本通達2-2-14による)
ただ、この方法で注意すべき点は、
仮に家賃1年分を100とした場合、30は税金が軽減しますが、
一時的に100のお金は出るため結果的に70のキャッシュが減るということです。
(法人税率30%とした場合)
では、この70のキャッシュをいつ回収できるのかといえば、
事務所を退去するときか、年払を月払に戻したときということになります。
家賃を年払に変更するということは、賃貸契約書の内容を変更する形になりますので、
仮に今後資金繰りが悪化して、月払に戻したいと思っても、
オーナーが了解しない限りできない可能性があります。
例えば生命保険であれば、解約した時点でキャッシュを回収するわけですが、
この「家賃の年払」の場合はキャッシュを回収したいときに出来ない可能性があるわけです。
有効な決算対策とは、本来税金として支払うはずのお金を将来に繰り延べ、
必要になったときにいつでも現金として取り崩せるものでなければなりません。
また、「家賃の前払い」が税務上のリスクがまったくないかといえば、
「金額が大きすぎるものは認めない」という適用条件があることに注意しなければなりません。
では、いくらまでならOKなのかというと、税務上明確な基準はありません。
過去の判例からは、会社の販管費全体の5%にあたる短期前払費用が認められなかった
東京地裁判決などがあります。
ちなみに、同じ前払いであっても税理士等の顧問料や月刊誌の購読料については、
短期前払費用の対象外となりますのであわせてご注意ください。
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