最新の投稿
アーカイブ
2016年05月19日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、東京会計パートナーズの中山です。
皆さん、持分会社ってご存知でしょうか?
持分会社はよく持株会社と勘違いされます。
ホールディングスと呼ばれる持株会社ではありません。
平成18年5月から施行された会社法には会社の区分として、
株式会社、特例有限会社、持分会社とあります。
持分会社は合名会社、合資会社、合同会社の3つに分かれます。
皆さんよくご存じのスーパーマーケットの西友やアップルジャパンなど
有名企業も実は持分会社です。
持分会社の中の合同会社で、合同会社西友、Apple Japan合同会社です。
あまり知られていないこの持分会社、
株式会社では考えられないほど自由度が高いという特徴があり、
これが事業承継に結構使えるのです。
持分会社は中小企業に適した組織だということを簡単にご紹介します。
持分会社で、会社の損益は出資者ごとに割り当てられ、
出資者ごとに会社に蓄積された会社の剰余金(損失も含む)の
所有割合が決まっています。
たとえば父が90%、後継者が10%を出資した会社で定款に定めが無いときは、
損益の分配もそれぞれの持分に合わせた父90%、後継者10%になります。
そこで定款に各社員(出資者)への損益の分配割合は、
総社員の同意により定めると記載することで、
出資比率に関係なく分配できるようになります。
後継者の若い感性によってプロジェクトに成功し利益を稼いだとします。
後継者の貢献割合に応じて、後継者へ利益を多く分配することで
出資比率の低い後継者の持分評価額(財産)は増えます。
プロジェクトごとに損益の分配を決めることもできるため、
出資比率の低い後継者でも持分評価額は増え続けます。
また、会社法には
「持分会社の社員は、持分会社に対して利益の配当を請求することが出来る」
とありますので、父は、配当請求して持分を社外へ引き出すことで
評価額を増やさないようにすることができ、
しばらくすると出資比率はそのままで、持分評価額では親子逆転させることも可能です。
株式会社では、持分会社のような損益の分配ができないため、
株式を後継者へ移転しない限り、自社株評価額で親子逆転するようなことはできません。
このように持分会社の損益の分配には大きなメリットがありますが、
税務否認されないためには、話し合いによる損益分配割合は、経済的合理性が必要です。
相続税の節税も考えて、利益に貢献していないのに後継者にお手盛りで渡せば、
「みなし贈与」になる恐れがありますので注意が必要です。
自社株の後継者への移転でお悩みの経営者には目から鱗の組織です。
東京会計パートナーズでは、事業承継にまつわる問題の解決をお手伝いしております。
――「いろいろなところから話があるが、
どこに相談するのが良いのか?」と悩まれているオーナー社長様へ―――
弊社ではオーダーメイドの解決策を提示します。
まずはお気軽に右上よりお問合せください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。