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2016年06月02日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
経営者保険プランナーの肥後です。
5月20日のブログ(https://www.humannetwork.jp/blog/20160520.html)で、
「マイナス金利が生命保険にあたえる影響」についてお話しし、
保険会社の選択をより慎重に行っていく必要があると書きました。
では、生命保険会社が破綻したら、契約している生命保険はどうなるのでしょうか?
過去の実際の事例をもとに今回はお話ししたいと思います。
日本では過去に8社の生命保険会社が実際に破綻しています。
具体名でいいますと
「千代田生命・協栄生命・東邦生命・日産生命・大正生命・第百生命・
東京生命・大和生命」の8社です。
ご記憶にある方も多いと思います。
生命保険会社が破綻した場合の救済制度として、
日本で営業する生命保険会社は全社「生命保険契約者保護機構」に
加盟することが義務つけられています。
このことで、生命保険会社が破綻した場合は責任準備金の9割が補償されます。
責任準備金といっても分かり図らいと思いますが、
大雑把に言えば掛け捨ての保障商品については
保険金額のほぼ9割が補償される形になります。
では貯蓄性の高い商品に関してはどのようになるのでしょうか?
過去に破綻をした際の事例を見ますと、
□「予定利率」の引き下げ(当初約束した利率を引き下げる)
□「早期解約控除」の適用
によって破綻後に保険金額が大幅に下がったり、
解約返戻金(返戻率)が下がったりとお客様に不利となる変更が行われています。
さきほどの破綻した8社のうち、
直近(2008年)に破綻した「大和生命」の実際の事例で説明してみます。
「大和生命」は破綻後、予定利率を1.0%に引き下げ、
あわせて「早期解約控除」を適用しました。
「早期解約控除」とは、破綻後、解約する時期によって、
当初約束した解約返戻金を一定の率で削減するというものです。
これは契約を引き継ぐ保険会社が、
保険契約を有効に継続させていくために、
一定の保険契約者数を維持する必要があるための措置です。
「大和生命」のケースでは、2008年に破綻し、
2009年までの解約には20%、2010年までは18%、2011年までは16%と
毎年2%ずつ控除率を下げ、2016年以降は控除しないという形となりました。
この結果、がん保険のように返戻率が長期にわたって持続するご契約については
継続することでほとんど返戻率が目減りしない
(とはいっても予定利率の引き下げにより当初お約束の返戻率より数%下がる)形となりましたが、
5年で返戻率のピークが来る逓増定期保険などは、
ピーク時に解約しようとすると当初お約束の返戻率から
2割近く返戻率が引き下げられる形になりました。
このように保険会社が破綻すると、
貯蓄性が高い生命保険については当初の返戻率からかなり下がる可能性もあり、
安全度を十分に考慮して保険会社の選択をする必要があります。
前回のブログでも触れましたが、
保険会社の安全度を判断する指標は「格付け」と「ソルベンシーマージン比率」です。
弊社では最新の「格付け」と「ソルベンシーマージン比率」をご案内しております。
関心がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。