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2016年06月27日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。相続診断士の加藤です。
ジメジメした嫌な天候が続いております。
夏バテにならないよう小まめな水分補給をして
今年の夏も乗り越えていきたいと思います。
さて、多くの企業で
決算対策や企業存続のために生命保険を活用されていらっしゃいます。
最近では保険料が全額損金の商品が少なくなり、
過去の全額損金の商品に比べ解約時の返戻率も下がってきています。
そんな中、全額損金の商品と半分損金の商品は
どちらが効果的か質問を多く頂きます。
今回はそれぞれの特徴についてお話ししたいと思います。
全額損金と半分損金を下記の条件で比較をしたいと思います。
<条件> 10年後の退職に備えた退職金準備で年間保険料1,000万円
①全額損金は10年後の戻りの率が85%
②半分損金は10年後の戻りの率が95%
10年後に全額損金を解約した際、解約返戻金が8,500万円が戻ってくるのに対し、
半分損金は9,500万円です。
半分損金の方が1,000万円多く残ります。
しかし、半分損金は保険料1,000万円のうち500万円は資産計上ですので
税引き後のキャッシュで支払うことになります。
ということは、
500万 ÷ (1-0.34)= 約757万円の利益が必要となります。
従って500万×10年×法人税率34%=1,700万円
つまり半分損金で1,000万円の保険料を10年間支払っていくのに
法人税を約2,575万円支払う必要があります。
(約757万円 × 34% × 10年 = 約2,575万円)
≪半分損金の10年間の実質負担額≫
保険料10,000万円+法人税 約2,575万円-解約返戻金9,500万円=約3,075万円
≪全額損金の10年間の実質負担額≫
保険料10,000万円-解約返戻金8,500万円=1,500万円
法人税を考えると全額損金の方が約1,575万円多く残る事になります。
※何もしなかった場合は、
利益1,000万円×10年×法人税率34%=3,400万の税負担となります。
しかしこの比較は、使い道が退職金と決まっているので全額損金が有利と言えますが、
使い道が決まっていないまま解約をしてしまうと
全額損金も半分損金も解約時に法人税が課税されるため、
返戻率の高い半分損金の方が多く残ります。
ほとんどの保険商品は掛金に対し解約時の返戻率は100%を下回ります。
運用面だけで見た場合は、解約時の雑収入対策を講じずに解約をしてしまうと、
返戻率が100%を下回ってしまいます。
結果的に保険を活用しない方が多く資金を法人に残せると言えます。
私どもヒューマンネットワークグループでは、せっかく掛けてきた生命保険を無駄にしないよう、
様々なアドバイスや対策をご紹介しております。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。