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2016年07月27日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
みなさんこんにちは。
経営者保険プランナーの橘田です。
毎期、安定的に利益が出ている企業様にとって、
決算が近づくと「利益を圧縮したい」
と考える経営者様は多いのではないでしょうか。
ここ数年は、「太陽光設備での即時償却」を行うことにより、
利益を圧縮した企業も数多くいらっしゃると思います。
これと同様に、大きな注目を集めたのは、「生産性向上設備投資税制」です。
今回は、株価評価を下げる目的で、
利益を圧縮する際の注意点をお伝えいたします。
「株価の評価を引き下げる」という目的で利益を圧縮する法人は多いようです。
先日、お会いしたお客様の事例をご紹介します。
そのお客様は、税引前利益が毎期4,500万円くらいでした。
生産性向上設備投資税制を使い、その期の利益を0にしたところ、
自社株価額が5分の1ほどになったとのことでした。
低くなった自社株評価額で、お父様から社長へ株を移動したところ、
税理士より、「株価計算において一括償却を加味した評価額が認められない」
と注意を受けたそうです。
ご存知の方も多いと思いますが、
自社株の評価方法は「類似業種比準価格方式」と「純資産価格方式」があります。
法人税法上、一括償却により大きな損金を作ることが可能です。
従って、「類似業種比準価額方式」の計算で株価が低くなるケースは多いです。
しかし、「純資産価額」での評価の際は注意が必要です。
相続税法第22条(評価の原則)によると、財産の価値は時価によるものとし、
純資産の評価部分については、相続税法における財産の評価額となります。
財産評価基本通達では、動産は原則売買実例価額など又は償却費の合計額または、
原価額を控除した金額によって評価すると定められていて、
償却費の額の計算も「定率法」と定められています。
つまり、特別償却を考慮しておらず、財産評価額として
「一括償却を加味した評価額が認められない」ということになります。
先ほどの事例の会社の場合、
自社株評価をする際の会社の規模判定は「中会社の中」でした。
(類似業種比準価格方式75%、純資産価格方式25%)
類似業種の割合が高い法人であれば、株価圧縮の効果は大きいと言えます。
一方、純資産の割合が高い会社であれば、株価があまり下がらないケースもあります。
今回のように、利益を圧縮し、株価の引き下げ対策を行っている企業は多いと思います。
自社株の評価方法に「純資産価額」を含む場合は、
必ずしも評価を下げる手段とならないため、注意が必要です。
弊社では「将来株価シミュレーション」というサービスを行っております。
利益を0にした場合やマイナスにされた場合に、
どのくらい株価が下がるのかを確認されたい方は、
この機会に是非、お気軽にお問合せください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。