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2016年10月17日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
税理士の島崎です。
自己株式の取得には資本政策としての活用がありますが、
今回は事業承継における相続税の納税資金対策としての活用をご紹介いたします。
オーナー社長が亡くなられると
ご子息などの後継者が会社の株式を相続することになります。
優良な会社であればあるほど株式の評価額は高くなっていて、
相続税も高額になります。
そのため後継者は相続税の納税に窮することになります。
そこで、この株式を会社に自己株式として買い取ってもらうことにより、
納税資金を確保するのです。
会社(取得):資本取引となりますので課税関係は原則としてありません。
個人(売却)
原則:自己株式の売却は注意が必要です。
株式の売却であれば、通常は所得税の譲渡所得(分離課税)となり
譲渡益の20%課税(所得税15%+住民税5%)となりますが、
株式発行会社への売却については譲渡益は配当所得となります。
配当所得は総合課税のため、給与所得などの他の所得と合算され
超過累進税率が適用されるため納税額も高額になります。
特例:相続により財産を取得して相続税を課税された人が、
その相続で取得した株式を相続税の申告期限から3年以内に
株式の発行会社に自己株式として売却した場合の譲渡益は
配当所得ではなく譲渡所得(分離)となります。
重要なのはその株式の相続につき
相続税の負担があるということと
申告期限から3年以内ということです。
またこの場合、その株式にかかった相続税は
譲渡所得の計算上取得費に加算することができます。
自己株式は売却した人の議決権割合が減りますので注意が必要です。
そして会社が自己株式として買い取れる金額には制限があります。
(配当可能額と同額)
本文は内容の理解を平易にするため、簡便な表記や表現を使用しております。
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