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2017年11月07日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。
経営者保険プランナーの加藤です。
社会全体の高齢化に伴い、
企業経営者も高年齢化が進んでいると言われています。
1995年に「47歳」だった中小企業経営者の年齢の山は、
20年後の2015年には「66歳」へと上昇し、
今後5年間で30万人以上の経営者が70歳になると見込まれています。
今回は、そんな高齢化社会に突入していく中で、
最近、私どもによくご相談いただく事業承継税制について
ご紹介できればと思います。
経営者の事業承継に関連する税制と聞いて、
まず思いつくのは「事業承継税制」だという声をよくお聞きします。
一定の要件を満たした上で自社株を後継者に贈与・相続した時に、
後継者にかかる税負担を猶予・免除されるという制度です。
近年、猶予・免除の為の一定用件も緩和され、
制度の認定件数も年々増加しております。
そんな事業承継税制には
「贈与時の納税猶予制度」と「相続時の納税猶予制度」の2つがあります。
概要は以下の通りです。
【贈与税の納税猶予・免除制度】
後継者である受贈者が、贈与により、
経済産業大臣の認定を受ける非上場会社の株式等を
先代経営者から全部又は一定以上取得し、
その会社を経営していく場合には、
その後継者が納付すべき贈与税のうち、
その株式等の一定部分(3分の2まで)に達する
贈与税の納税の全額が猶予され、
先代経営者の死亡等により、猶予されていた贈与税の納付が免除されます。
【相続税の納税猶予・免除制度】
後継者である相続人等が、相続等により、
経済産業大臣の認定を受ける非上場会社の株式等を先代経営者から取得し、
その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき相続税のうち、
その株式等の一定部分(3分の2まで)に係る
課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予され、
後継者の死亡等により、猶予されていた相続税の納付が免除されます。
どちらも似たような制度ですが、
上記のように、贈与税の納税猶予は全額であるのに対して、
相続税の納税猶予は税額の80%ですので、
贈与税の納税猶予のほうが有利な制度だと思います。
まずは、先代経営者が生存中に後継者に株式を贈与することで、
相続時の遺産分割の問題を緩和することができます。
事業承継税制の適用要件は細かく多岐にわたっており、
1つでも条件を満たさなくなると、納税猶予が認められず、
猶予されている税額を全て支払わなければなりません。
その為にも、各種条件を満たすように、
会社経営のプランニングをしっかり行う必要があります。
また、その他にも下記のような注意点がございます。
1.全ての株が対象とはならない
事業承継税制は自社株式の100%について、
猶予・免除を受けられる訳ではありません。
贈与時であれば約33%、相続時であれば約47%部分に対しては、
他に何らかの自社株承継対策が必要になってきます。
2.株が複数の相続人に分散している
オーナー企業では経営者である社長本人の他、
その配偶者や親族も自社株を持っていることが一般的です。
しかし、それらの株式については現行の事業承継税制では
納税猶予の対象とはなりません。
その為にも、自社株式を効率よく集約し、
後継者に承継していく対策が必要になってきます。
3.親族内に後継者候補がいない
経営者の中には、有望な後継者が見つからず
「このような制度は使えないから、会社を縮小していこう」
とお考えの経営者の方もいらっしゃると思います。
しかし、業績の良い時にM&Aをすることで
ご勇退後の資金や社員の雇用を守ることも可能です。
そんな事業承継対策の選択肢も増えてきております。
今回ご紹介した事業承継税制は
上手く活用すればとても有効な手段です。
しかし、こういった対策を進めるためには、
万全な準備が必要でそれには時間がかかります。
自分に「もしも」のことがあった時の資金対策も
事業承継対策を行う上では必要だと思います。
「事業承継対策を考えているが、何をすれば良いのかわからない」
「今の対策で万全なのか確認したい」
とお考えの経営者の皆さま、
弊社には、1,750社の経営者とお付き合いをさせて頂く中で得てきた
豊富な経験、事例がございます。
是非一度お気軽にお問い合わせ下さい。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。