最新の投稿
アーカイブ
2017年11月21日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。
経営者保険プランナーの佐藤です。
営業部に配属されてから経営者の方より日々、
役員退職金についてお話しをお聞きします。
役員退職金は税制面で他の所得より比較的優遇されています。
しかし、メリットが大きい分、十分注意しなければならない点もございます。
今回は役員退職金を最大限活用する際のポイントを紹介します。
否認を軽減させるには主に3つのポイントがあります。
1.株主総会・取締役会を実際に開催する(形式基準)
2.適正な退職金の算定根拠を明確にする(金額基準)
3.退職後も経営上主要な地位にある者と判断されないこと(実質基準)
今年7月の橘田のブログ(https://www.humannetwork.jp/blog/20170720.html)では
3つ目の実質的な基準についての動向を記載しました。
今回は事例を踏まえた上で、2つ目の金額の算定について紹介したいと思います。
役員退職金額の算定では、役員退職金を受け取る人の在任年数や報酬月額、
あるいは、同じような業種や規模の会社がどの程度の
役員退職金を支払っているのかを参考にします。
役員退職金の損金算入上限額は一般的に
「最終報酬月額×在任年数×功績倍率」という式で計算しますので、
支給額がこの計算式で算定された金額の範囲内であるかどうかが
判断のポイントになります。
上記の式から算定した結果、損金算入上限額が1億円であった社長が、
2億円の退職金を受け取った事例をご紹介いたします。
A社長は、自身が引退後の資金や自社株式の
分散対策・相続税納税資金のことを考え、2億円の役員退職金を
希望していました。
しかし、税理士からは計算上役員退職金の経費にできる上限額は
約1億円と言われています。
前述のポイントの内、
1.(形式基準)に関しては既に株主総会を開催し承認をとれており、
2.(実質基準)に関しても退職後は完全に引退されるとの事で
問題ないようですが、役員退職金額の算定が上限を超えた場合は
どうなるでしょうか。
この場合、法人では1億円が損金算入限度額なので、
過大部分の残り1億円については約34%の法人税が課税されます。
また、個人としては、社長は完全に退職する予定ですので
金額に関係なく退職所得として認められます。
よって、所得税と住民税の他に課税を受けることはありません。
A社長はこれらの条件から役員退職金として2億円を受け取る判断をしました。
過大な退職金でも損金算入限度額を超えた分について、
法人税等を支払っていれば支給することができるという事例でした。
経営者の資産には自社株式や不動産など流動性の低い資産が多く、
その資産に対する相続税納税資金に苦慮しているという話をよくお聞きします。
多額の相続税が予想される場合、
損金算入限度額を超えて役員退職金を支給することも可能です。
また、受け取った役員退職金という資産に対し、
将来の相続税課税に備え生命保険を活用して資産を守る方法もございます。
弊社はグループ会社の税理士法人とともに、
会社の状況に応じて役員退職金を最大限活用できる方法を提案いたします。
オーナー社長の税務戦略を確認する上で、是非一度お問い合わせください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。