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2017年12月19日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
H30年度税制改正大綱が発表されました。
事業承継税制は2年連続で改正になり、
非上場株式の後継者への移転でたいへん使いやすくなりました。
来年度からはかなりの数の企業がこの税制を活用するようになりそうです。
しかし、経営者様の中には、この制度にまだまだ抵抗があって、
活用に踏み切れない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、そのような経営者様に、
意外と知らない自社株式の移転方法をご紹介します。
評価額が高騰していて後継者へ移転できずに
いまだ100%の自社株式を保有している経営者がいました。
子供は息子が2人です。そのうち20年前から会社に入っていて、
現在専務をしている長男が後継者です。
結婚はしているのですが子供に恵まれず、将来の後継者が心配です。
公務員の次男にはまだ高校生ですが男の子がいます。
まだまだ先のことですが、ひょっとしたらこの子が
将来の後継者となるかもしれないとこの経営者は考えました。
そこで、税理士に「自分の退職金を支払い株価が下がったタイミングで、
1000株持っている自社株式のうち500株は長男に渡し、
残りの500株を高校生の孫に渡そうと思うがどうかね?」と相談しました。
結果は、500株を無議決権株式に転換して孫に贈与しました。
株価は原則的評価額でなく、大幅に安い配当還元価額で移すことが出来て、
贈与税もほとんどかからずにすみました。
さらに長男の贈与税負担も少なく議決権比率は100%になりました。
同族株主がいる会社に中心的同族株主がいると、
中心的同族株主が自社株式を受け取るときの株価は
評価額の高い原則的評価額です。
このケースですと、直系の息子2人が該当します。
専務に子供がいれば、その子供も中心的同族株主になりますが、
議決権のない株式を受け取った次男の子(役員でもない)は
中心的同族株主にならないため、評価額の低い配当還元価額で移転できたのです。
このケースでも500株で議決権比率100%なった長男には
父から法的・経済的利益を得たので、税務上その点が贈与とみなされる可能性や、
無議決権株式で議決権を復活する場合は、税務当局から原則的評価額で
評価しなおす更正が行われる可能性もあります。
取り扱いにあたっては税理士にご相談ください。
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