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2018年09月25日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、東京会計パートナーズの和田です。
事業承継の課題は100社あれば100通りあり、
その対策も一つではありません。あらゆる角度から検証し、
経営者のビジョンにそった解決策をご提案させていただきます。
今回は、事業承継税制を検討する上で重要となる「事業の実態」について考えてみたいと思います。
事業承継税制は、中小企業の円滑な事業承継の支援を趣旨とすることから、
その適用を受ける会社が実際に事業活動を行っていることが大前提となります。
当たり前の話のようですが、その会社に「事業の実態」があることを示す必要があり、
具体的には、【資産保有型会社等に該当しないこと】という要件を満たす必要があります。
資産保有型会社等とは、会社の資産のうちに特定資産の占める割合が一定以上の会社で、
次のいずれかに該当するものをいいます。
●資産保有型会社
特定資産の保有割合が資産の帳簿価格総額と一定の金額*の合計額の70%以上
*過去5年間稲以内において、後継者や親族等が当該会社から受けた配当や過大役員給与等の合計額
●資産運用型会社
特定資産からの運用収入が総収入金額の75%以上
なお、特定資産とは下記のものが挙げられます。
① 現に自ら使用していない不動産
遊休不動産、販売用として保有する不動産、第三者に賃貸している不動産など
② ゴルフ会員権等
ゴルフ会員権(販売目的を除く)、スポーツクラブ会員権、リゾート会員権など
③ 絵画、貴金属等
絵画・彫刻などの文化的動産、貴金属、宝石など(販売用のものを除く)
④ 現預金その他これらに類する資産
現金、預貯金、親族に対する貸付金や未収入金、保険積立金など
これら特定資産の占める割合が大きい会社については、
「事業の実態」がない会社である可能性があることから、
事業承継税制の適用を受けることができません。
例えば、不動産事業を営む会社では販売用不動産の比率が大きくなりやすく、
資産保有型会社等の条件に当てはまりやすい傾向があります。
こうした会社では事業承継税制の適用は受けられないのでしょうか。
結論をいえば、このような場合でもその会社に「事業の実態」が
あると認められる場合には資産保有型会社等に該当しない、という例外規定があります。
≪事業実態があるとされるための要件≫
(1) 常時使用する従業員の数が5人以上であること
(2) 事務所その他一定のものを所有又は賃借していること
(3) 贈与(相続)の日まで引き続き3年以上、商品販売等一定の業務をしていること
つまり、資産保有会社等の条件に当てはまったとしても、
その会社が一定の従業員を雇用し、事務所を構えて、
一定期間事業を継続している事実があれば、
資産保有会社等に該当しないことになります。
逆に言えば、持株会社など事業を持っていない会社については、
資産保有会社等に該当する可能性があるため、
事業承継税制を検討する場合には注意が必要です。
事業承継税制の適用を受ける上で、
「事業の実態」という考え方は重要となります。
会社が資産保有会社等に該当する可能性があるのか、
あるいは、すでに該当しており、どうすれば制度の適用を受けることができるのか?
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