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2020年02月25日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、東京会計パートナーズの和田です。
個人が株式を売却してもうけが出た場合、その個人は税金を納めることになります。
個人のもうけに課される税金は所得税ですが、所得税には10種類の所得区分があり、
売却の仕方によって、どの所得に該当し、何%の税率になるのか、が変わってきます。
今回のブログでは、個人が株式を売却した場合の所得税を整理してみます。
資産の売却は税法上「譲渡」といい、
株式の譲渡によるもうけ(譲渡益)は譲渡所得に該当します。
譲渡所得は基本的に総合課税ですが、
株式については株式分離課税が適用されますので、他の所得と区分して、
譲渡益に対し20%の税金(※)が課されます。
なお、一暦年間に上場株式と非上場株式とを譲渡した場合には、
それぞれ区分して計算するが必要があります。
※所得税15%+住民税10%の合計。復興特別所得税は除く。以下同じ。
ただし、株式の譲渡であっても、例外的に配当所得に該当する場合があります。
自己株式の取得、つまり、発行法人に対する株式の譲渡がこれにあたります。
発行法人からみれば、個人株主から自社の株式を購入しその代金を支払う訳ですが、
代金の一部は会社が留保している利益から支払われることになります。
会社の留保利益を株主へ交付すること=剰余金の配当と同じ性質と考えられることから、
「みなし配当」として配当所得に該当します。
配当所得の課税方法は、基本的には総合課税ですので、
みなし配当とされる金額に超過累進税率(最高45%の所得税+10%の住民税)
を乗じて計算した税金が課されることになります。
つまり、その株式の売却が自己株式の取得に該当する場合には、
譲渡所得よりも高い税金が課されることになりますので注意が必要です。
ただし、自己株式の取得であっても、
みなし配当の特例として譲渡所得に該当する場合があります。
【適用要件】
① 相続等で取得した財産につき納付すべき相続税額があること
② 相続財産である非上場株式を
相続開始から3年10か月以内にその非上場会社に譲渡していること。
非上場株式については、個人が相続で取得した株式を発行法人に譲渡した場合、
一定要件のもと譲渡所得とみなされ、
株式分離課税により譲渡益に対し20%の税金が課されます。
つまり、結果的には原則と同様の課税方法となります。
この規定は通称「金庫株の特例」として、相続の際に遺族が
低税率で株式を会社に売却し納税資金等を確保する方法として有効です。
また、株式の譲渡益から相続税額の一部を控除できる
「相続税額の取得費加算」の規定もあせて適用可能です。
個人が株を売却する場合、自己株式の取得に該当する場合には注意が必要です。
特に中小企業においては、
相続・事業承継の施策に伴って自己株式の取得となるケースもありますので、
いくらの税コストが発生するのか?についても留意が必要です。
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