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2020年06月16日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。相続診断士の加藤です。
緊急事態宣言が明けてから、1ヵ月ほどが経ちました。
町を歩いていると人出も多く活気が戻ってきたように思えますが、
まだまだ予断を許さない状況です。
さて、大切な事業を次世代へ承継を考えた場合、
自社株の評価は欠かせない要素となります。
今回は過去のリーマンショック不況を例にあげ、
なぜ今が自社株承継のタイミングなのかについてご紹介します。
まずは、"誰が"自社株を相続または贈与で取得するかによって評価方式を判断します。
例えば、ご子息・ご息女に議決権割合で5%以上の株数を贈与する場合は、
「原則的評価方式」で自社株の株価を評価します。
さらに、「原則的評価方式」には、以下の3つの評価方式に区分されます。
① 類似業種比準価額方式
⇒事業内容の類似した上場企業の株価に比準して株価を決定する方法
② 純資産価額方式
⇒当該会社の1株あたりの純資産価額に基づき株価を決定する方法
③ ①と②の併用方式
⇒会社規模の区分に応じ、類似業種比準価額方式と純資産価額方式を併せて
株価を決定する方法(併用割合は会社の規模により決定)
一般的に、「類似業種比準価額方式」より「純資産価額方式」の方が
株価は高くなる傾向にあります。
そして、上場企業(類似業種)の株価は、
類似業種比準価額方式の評価額の算定に大きく影響を与えます。
毎年6月頃、国税庁の法令解釈通達により、
類似似業種比準方式により評価する場合の算定に必要となる上場企業業種目別の
1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について発表があります。
そこで、上場企業(類似業種)の株価の変動が、
どれほど自社の株価に影響を与えるのか、
リーマンショック前後、2007年12月と、
2008年12月の上場企業株価を例に試算してみました。
【前提条件】
業種目(大分類):卸売業
会社の規模/大会社
評価会社の1株あたりの配当金額/類似業種の配当金額と同額
評価会社の1株あたりの利益金額/類似業種の利益金額と同額
評価会社の1株あたりの純資産額/類似業種の純資産額と同額
1株あたりの資本金等の額/500円 発行済株式総数/100,000株
上記のように、
リーマンショック前後で上場企業の株価は、
249円→121円へと50%以上下落しており、
その影響で、自社の株価評価(類似業種比準価額方式)も
1,743円→819円と下がっております。
この類似業種の株価は課税時期の属する月以前3カ月間の
各月平均株価、前年平均株価、前2年間の平均株価のうち、最も低い株価を採用できます。
今回の試算では、上場企業の株価以外の要素は考慮せずに行っております。
つまり、2008年時に、自社株評価を下げるため何らかの対策を行うと
さらに株価が下がることになります。
今回のコロナ不況による上場企業の株価はまだ発表されておりません。
3月の日経平均株価最安値は16,000円台、そして現在は22,000円台になっており、
タイミングや業種等によっては自社の株価にも影響があるかもしれません。
売上や利益の減少は、会社経営の視点からみると好ましくありませんが、
自社株対策という視点からみると今がタイミングかもしれません。
弊社では数ある自社株対策の中から、
自社にとって最適な方法をご紹介させていただきます。
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お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。