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2021年01月14日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
「事業承継アドバイザー」の浦野です。
最近、独立して自分で会社を始めた創業社長よりも、
先代から会社を引き継いだ後継者社長から
事業承継に関する相談をいただく機会が増えてきました。
ご相談内容の中に、
『先代の相続に時に、会社との協議が上手くまとまらず、
「死亡退職金」が十分に支払われなかった。
しかし、自分に万一が起きた場合は、十分な金額を家族に渡したい』
という相談が、3割以上を占めています。
従って、事業承継対策の最優先課題は、
「死亡退職金」支給を確実にしておくことです。
「死亡時の退職金の準備はできていますか?」と質問した時に、
「うちは『役員退職金規程』があるから大丈夫!」
とお答えになるオーナー社長がいますが、
『役員退職金規程』は内規にすぎません。
従って、内規に退職金額の支給基準や適用範囲が記載されていても、
会社が「死亡退職金」を支給しなければならない法的拘束力はありません。
会社が役員退職金を支給するためには、
必ず取締役会決議と株主総会承認手続きが必要です。
もし、取締役会が「死亡退職金」支給承認のための株主総会を開催しないと判断した場合、
「死亡退職金」が支給されません。
株主には、株主総会を開催する権限がないため、
「死亡退職金」の支給決議を会社に行ってもらうためには、
株主総会を開催するよう、自社株を相続した家族が、
裁判所へ申し立てる必要があります。
その行為は、まるで会社を相手に裁判を起こしているような気持ちになります。
「死亡退職金」は、残された家族の生活資金や自社株の相続税納税資金のお金です。
スムーズに支給されないことで、
一家の大黒柱を失った配偶者に、さらに経済的な負担や、
心理的な不安を強いることは、何としても避けなければなりません。
「死亡退職金」の支給決議を株主総会の議題として
取り上げてもらうためには、取締役会での決議が必要です。
例え、死亡保険金が会社へ入ってきたとしても、
オーナー家以外の経営陣は借入金の返済や運転資金を確保しておきたいと考えるからです。
後継の新社長が、すぐにオーナー家から選出されれば、
経営陣への影響力から支給決議を取ることができるかもしれません。
しかし、反対する取締役が現われれば、多数決の論理で決議が取れなくなる可能性があります。
従って、親族外の取締役がいる会社の場合
万一に備えて「死亡退職金」がスムーズに支給できるように、
対策しておくことが必要です。
「死亡退職金」支給を確実にするための対策を、
適用・導入できるかどうかは会社ごとの状況によって異なります。1
0社あれば、10社それぞれの個別事情があるからです。
ご関心がある方は、ヒューマンネットワークグループへお問合せください。
事業承継専門部署が、個別相談・オンライン相談等、ご対応致します。
TEL:0120-533-336(受付:森・吉田)
【受付時間:平日9:00~16:50】
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。