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2021年02月16日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
経営者保険プランナーの草薙です。
一昨年、法人保険の税制改正により、損金計上の範囲が大幅に縮小されました。
その一方、最近目にした納税通信に「30万円の全損保険がブーム」
という記事が載っていたのでご紹介したいと思います。
抜本的に見直された生命保険の税務では、
支払った保険料の損金算入を大幅に制限する一方、
保険料が年間30万円以下の定期保険等の保険料については、全額損金が認められた。
一人30万円ということは、10人以上を契約者とすれば年間300万円以上の損金が計上でき、
貯蓄性のある商品も対象となるため、節税効果という面でも検討に値する。
納税通信 2021年 2月1日付号 より引用
先日、ある保険会社では、養老保険と全額損金の医療保険を組合せた商品を発売。
退職金を積立てながら、社員が入院した場合には、
一時金で給付金が社員個人に給付される仕組で
かなりの売れ筋になっているそうです。 (医療保険自体に返戻金はありません)
社員側から見ても大変ありがたい商品ですので、
福利厚生制度の充実や他社との差別化をお考えの社長様は、
一度ご検討されてみては如何でしょうか。
ご参考までに「30万円ルールの要点」を簡単にまとめてみました。
全額損金に加えて、返戻金は退職金の財源となり、
養老保険のような普遍的加入の要件もありません。
また、万一の時には法人の資金繰りに活用することも出来ます。
そんなメリットがある反面、幾つかご注意いただきたい点もあります。
1.全額損金処理できる条件としては、最高解約返戻率が70%以下、
かつ被保険者1人あたりの年間保険料総額30万円以下の定期保険等に限られます。
尚、全ての保険会社を含めた支払総額ですのでご注意ください。(基本通達9-3-5の2)
2.30万円ルールは、2019年7月8日改正後の契約からになりますので、
それ以前の契約については今まで通りの経理処理が適応されます。
その為、改正前と改正後それぞれの処理が併用されるため、経理が少し煩雑になります。
4.養老保険を除く法人契約の多くは、保険金や給付金の受取人は法人になります。
そのため被保険者へ支払う場合には、社会通念上妥当な「見舞金」程度しか認められません。
5.養老保険と同時加入した場合、合算した時の返戻率は、
養老保険単体での返戻率よりも、概ね低下することになります。
現在の税制では、解約返戻率が高ければ高いほど損金割合が減少するため、
節税メリットは限定的と言えるかも知れません。
そのような中でも、新しい保険商品は続々と発売されており、
その時々に流行となるような商品が出ることも珍しくありません。
弊社では、これからも新しい情報をお伝えすることは勿論ですが、
流行に惑わされることなくお客様にとって本当に必要な保険かどうか、
しっかりと見極めた上でのご提案を心掛けて参りたいと思います。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。