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2021年09月07日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。相続診断士の石田です。
先日、ご面談をさせていただいた社長様から
「株価が高騰しており将来の相続税が不安」というご相談を受けました。
ご相談いただいた社長には、「相続後に会社へ株を譲渡する方法」をご提案しました。
なぜなら、ある要件を満たす事で自社株の譲渡にかかる税負担を低く抑えられるからです。
今回は、その内容についてご紹介致します。
株式譲渡は譲渡する相手によって所得が異なります。
人から人へ自社株を譲渡する場合は、譲渡所得に該当します。
株式譲渡の場合は分離課税が適用され、譲渡益に対して20%の税率となります。
また、人から発行会社へ自社株を譲渡する場合は、
資本金等の額に対応する部分を超える金額は配当所得となります。
配当所得は総合課税のため、社長が保有している自社株を
生前に発行会社で買い取る際は、ほかの所得と合算され、
最大55%の所得税等の税率がかかるケースもあるということです。
しかし、株主である社長に相続が発生してから法人へ譲渡する場合、
下記適用要件を満たすことで相続時の特例として配当所得ではなく譲渡所得となります。
つまり、発行会社から支払いを受ける金銭の全額が譲渡所得に係る収入金額と
されるというもので、20%の分離課税になるということです。
適用要件は以下の通りです。
① 相続等で取得した財産で相続税の納税が発生すること
② 相続開始から3年10か月以内に法人へ譲渡すること
③ 譲渡するときまでに税務署に届出書を提出すること
さらに、自社株の譲渡による譲渡所得金額を計算するにあたり、
相続の際に支払った相続税のうち、その自社株に対応する部分の金額を
取得費に加算して収入金額から控除することができます。
ただし、発行会社へ譲渡し自己株式にできるのは分配可能額の範囲内となる
ため注意が必要です。
自社株が高騰していて後継者へなかなか承継できない。
もし、自身に万一があったら家族は相続税で大変な思いをするのではないか。
そのような不安をお持ちの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回、ご紹介したように自社株の移し方によって、適用される税率は大きく異なります。
法人様ごとに合った対策をご案内させていただきますので、
ぜひ弊社までお問合せください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。