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2021年09月16日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。コンサルティング事業部の浦野です。
先日、東京パラリンピック・マラソンのコースボランティアとして、活動してきました。
女子マラソン・視覚障害クラスで、金メダルを取った道下選手は、
中学時代に右目を失明し、
20代半ばで左目の視力も光をわずかに感じられる程度まで低下しました。
26歳から陸上を始めて44歳の今年、
18年間の練習を経て、金メダルを掴みとった彼女に、勇気をもらいました。
御社には、「役員退職金規程」はありますか?
それは、何故作ったのですか?
経営者が、ご相談で来社された時に、私がよくする質問です。
退職金には、2つのパターンがあります。
計画的な「勇退退職金」と突発的な「死亡退職金」です。
「勇退退職金」支給時は、「役員退職金規程」が経営者にとって、
悪影響を与えることはほとんどありません。
それは経営者が、幹部役員の選任権や解任権がある株主としての、
議決権を有したままであることが多いからです。
ところが、突発的な「死亡退職金」の支給は、
幹部役員の話し合いが大きな影響を与えます。
その結果、経営者の遺族が、十分な退職金を受け取れない場合があります。
それは、日頃見落としている「役員退職金規程」の落とし穴があるからなのです。
1つめの落とし穴が、「特別減額」という条項です。
これは、会社に損害を与えたものに対し、支給金額を減額することができるという内容です。
面と向かって、「損害を与えた」という幹部役員はいないでしょうが、
上手くいっていない新規事業への投資や不必要な不動産、
投資有価証券の購入、多額の借入金が残ったままなど、
負の資産を抱えている法人は要注意です。
2つめの落とし穴が、「支給時期および方法」という条項です。
これは、経済界の景況、会社の業績いかん等により、会社は遺族と協議の上、
支給の時期、回数、方法について別に定めることがあるという内容です。
もし、相続税が遺族に発生する場合、
原則的に10ケ月以内に申告・納付ができなければ、
相続税を軽減する特別措置が活用できなくなります。
コロナの影響で、会社の業績や資金繰りが悪化している法人が増えています。
「死亡退職金」の支給時期が延期されたり、
分割支給を交渉されたら、困るのは遺族なのです。
3つめの落とし穴は、「役員退職金規程」は社長だけでなく、
他の役員にも適用されるということです。
例えば、親族外の役員であっても、
「役員退職金規程」によって計算される支給額を受け取れる期待権が生じています。
経営者よりも先に、他の役員が死亡した場合、
ルール上は「役員退職金規程」に基づいて支給されることになります。
弔慰金も含めて計算してみると、予想外の資金流出の可能性が見えてきます。
役員退職金は、経営者が元気な時に勇退し、
生前退職金として受けとる場合は、比較的問題が起きません。
しかし、突発的に生じる「死亡退職金」となると、
借入金の連帯保障の問題や自社株の相続税問題など、複合的な問題が一度に噴出します。
コンサルティング事業部では、
「役員退職金規程」と会社の「定款」を見せていただきながら、
落とし穴のポイント解説や対策事例の紹介などを行うオンライン面談を実施しています。
ご希望の方は、右上問合せフォームより、
「役員退職金規程相談希望」と入力の上、お申込みください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。