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2021年10月05日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは
相続診断士の加藤です。
昨年の12月に自民・公明両党による税制調査会において、
「令和3年度税制改正の大綱」が発表され、
相続税と贈与税一体化が検討されております。
税制改正の内容によっては、これまでの生前贈与のメリットを
有効活用できなくなる可能性があります。
そこで今回は、今からできる生前贈与と小口不動産を活用した
相続対策についてご紹介いたします。
「不動産小口化商品(以下、小口不動産)」とは、
国交省大臣あるいは都道府県知事の許可を得た事業者のみが
取扱うことのできる不動産特定共同事業法という法律に基づいた商品です。
数十億円単位の高額な都心のオフィスビルなどを、
単独で購入することは難しいですが、
1口100万円~1,000万円程度に細分化し、
小口化商品として投資家に販売することで、
当該物件から得られた賃貸収入や収益を複数の出資者へ分配することができます。
管理・運営は不動産特定共同事業者(許可を受けて不動産特定共同事業を行う者)
が行うため、手軽に投資対象となる高額不動産を所有することができます。
同じような不動産投資としてJ-REITがありますが、
J-REITのような有価証券とは異なり、
実物不動産と同等の扱いで保有することが可能です。
すなわち、不動産の実勢価格と路線価との差額により、
評価額の引き下げ効果が期待でき、相続税の負担を軽減することができるため、
近年、小口不動産が相続税対策として注目されています。
ポイントは2つあります。
①相続財産の圧縮効果
小口不動産にも貸家評価、貸家建付地、小規模宅地等の特例などの
評価減を適用することができるため不動産評価額の大きな圧縮効果となります。
不動産業者の資料にも圧縮効果が記載されていることが多いですが、
小口不動産には80%ぐらい圧縮効果のある物件もあります。
②生前贈与に効果的
上記のように不動産評価額の圧縮効果が期待できますので、
生前贈与と併用するとより効果的です。
例えば、1,000万円の小口不動産を購入した場合、
80%圧縮することができれば200万円の評価となります。
その物件を子供に生前贈与した場合、贈与税は10万円もかかりません。
仮に、相続税率50%の経営者が
毎年500万円、1,000万円、2,000万円分を子供に現金・小口不動産で贈与した場合と、
しなかった場合では下記のように税金が変わります。
A贈与しない 相続財産に対して相続税がかかる
B現金贈与 相続税がかからない代わりに、贈与した財産分へ贈与税がかかる
C小口不動産を贈与 相続税がかからない代わりに、贈与した財産分へ贈与税がかかる
※相続開始3年前までの生前贈与は相続財産に加算
※小規模宅地等の特例を使い80%圧縮できたと仮定
※特定の相続人だけに贈与した場合、遺留分の侵害に注意が必要
※2021年9月現在の税制によります
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。