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2023年02月08日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
「資産運用」には複数の種類があります。
企業の経営者のみならず、医療法人の理事長も、
どの方法が一番適しているかを考えることでしょう。
地域の人々に信頼される病院を継続して守っていくためには、
職員や設備だけでなく、理事長ご自身の資産強化も必要です。
しかし、医療法人は業務の特性から、活用できることは限られているのです。
医療法人が上手に資産運用するには、一体どうしたらいいでしょうか。
今回は複数ある「資産運用の種類」と、
「医療法人の資産運用策が限定的な理由」を説明します。
そのうえで、医療法人に有効かつおすすめの方法を紹介していきます。
資産運用とは、「今ある資産を効率良く活用していく方法」のことです。
価格が大きく変動してハイリスクハイリターンになるもものもあれば、
その逆でローリスクローリターンのものもあり、特徴はさまざまです。
一般的に資産を増やすイメージですが、医療法人の場合はその性質上、
「増やすよりもその持ち方(置き方)を変える」ことの方が重要です。
「資産運用をしたいけれど、何から始めていいかわからない。
どんな金融商品があるか、よくわからない」。
そのような悩みを解決していきましょう。
資産運用は、大きく2つに分けられます。
貯めることを目的とした「預貯金」と、増やすことを目的とした「投資」です。
投資には債券投資、投資信託、株式投資、金投資、不動産投資、
外貨預金、生命保険などの金融商品があります。
ここではどんな資産運用の種類があるのかを確認し、
その特徴やメリットデメリットをみていきましょう。
預貯金とは、日本円を銀行に預けることです。
そうすることで利息が付くので、これも資産運用になります。
常時引き出しができる「普通預金」と、
引き出しまでに一定期間があるけれど普通預金よりも金利が高い「定額預金」、
一定期日まで毎月定額を積み立てる「積立式預金」などがあります。
メリットとして、銀行に預けることで利息がついて、盗難の心配がありません。
また、万一銀行が破綻した場合は、預金分は戻ってきませんが、
預金保険制度に基づいて、1金融機関ごとに1人当たり元本1,000万円とその利息が保護されます。
デメリットは、超低金利の状態が続いているため、
銀行に預けても資産が増えることはあまり期待できないこと。
そして、インフレリスク(物価の上昇により、お金の価値が下がってしまうこと)
が生じることです。
債券とは、国や地方公共団体、企業などが、
投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券(現在は電子化)のことです。
債券投資は、その投資家になり、資金を提供することで債券と利息を受け取ることです。
満期時には額面金額が戻ってきます(償還)。
メリットは、後ほど説明する投資信託や株式投資よりも比較的安全性が高く、
収益も安定していることです。
ですから、投資初心者には始めやすいです。
債券の発行主が債務不履行にならない限り、
利息や償還金(資金)は約束通り支払われます。
利息額が決まっているので、収益の目安が分かりやすいのもよいところです。
デメリットは、債券の発行主が債務不履行(倒産や財政難)になると、
利息や償還金が受けられなくなる可能性があることです。
また、金利の動向や社会情勢によって価格が変動するので、
途中売却した場合は利益や損失が出ることがあります。
外国債券は、為替によって価格が変動することもあります。
投資信託とは、投資家から集めた資金を1つにまとめて、
運用の専門家が株式や債券などの資産に換えることです。
これを専門家が、各投資家の投資額に応じて運用をしてくれます。
メリットは、専門家が代行をしてくれるだけでなく、
少額の積み立てから開始できるので、
投資初心者や気軽に資産運用を始めたい人に向いていることです。
外国の債券や株式を設定している投資信託もあります。
外国投資を行いたいけれど、リスクが大きくて心配な方も挑戦することができます。
デメリットは、価格変動や為替変動の心配があることです。
銘柄が多くあるので、慎重に選ぶ必要があります。
株式は、株式会社が資金を出資した人に対して発行する証券のことです。
そして株式投資とは、株式を購入して投資することです。
株式投資をした方は株主(出資者)と呼ばれます。
メリットは、株主総会で経営に関する意見を言えたり、
実績が上がった場合は配当金を受け取れたり、
一定数の株式を保有していると株主優待が受けられたりします。
デメリットは、債券よりも値動きが激しく、
投資信託よりも銘柄が多いのでその選定が難しいこと。
資産が1年で2倍になることがあれば、半分になることがあります。
経営不振や倒産で、保有している株式の価値が0円になる可能性も。
外国株式の場合、為替の影響やその国の社会状況によって、値動きはさらに激しくなるので、
より慎重に扱わないといけません。
昔から、「株で大損」「株券が一晩で紙切れに」と言われることがありますが、
リスクについても慎重に見極める必要があります。
金投資とは、貴金属の「金」(ゴールド)を投資の対象にすることです。
金貨や金地金(金の延べ棒)などの現物を購入する方法や、
「金」に投資する投資信託や先物取引などがあります。
メリットは、「金」の価値は世界共通であるため、換金がしやすいことです。
また、希少性があり経年劣化や腐食もないので、
その価値は永遠に続くことも大きいでしょう。
そのため、インフレの影響を受けにくいと言われています。
「有事の金」とも言われており、
不景気や紛争などが起こると安全資産として「金」の購入が増えます。
デメリットは、投資をしても利息や配当金などの
インカムゲイン(資産を保有することで得られる収入)が発生しないことです。
また、現物で購入して自宅に保管すると、紛失や盗難に対する心配があります。
銀行などの貸金庫を使うことができますが、手数料が発生します。
さらに管理コスト以外にも、手数料が諸々かかります。
そして、先物取引はハイリスクハイリターンです。
不動産投資とは、不動産を購入して家賃収入や売却で利益を得る投資方法です。
メリットは、大家となった人物(例えば夫や父)が亡くなったら、
遺族が相続できるので、運用を続けて家賃収入を得られます。
また、「不動産投資は節税対策」とも言われるように、
減価償却(購入した年だけでなく何年かに分けて費用を計上する)をして、
課税所得を圧縮できます。
また、同じ額を現金として所有しているよりも、
相続税の額を抑えることができます(不動産の場合、
固定資産評価額を元に相続税が計算され、現金より税額が低くなることも)。
デメリットは、大家としてのさまざまなリスクが出てくることです。
入居者が集まらず家賃収入が得られない「空室リスク」や、
家賃を払わない入居者による「家賃滞納リスク」があります。
また不動産を購入したら終わりではなく、その後の管理やメンテナンスが必要です。
それらの費用も、用意しておかないといけません。
米ドルやオーストラリアドルなどの外国通貨で預金をすることを、「外貨預金」と言います。
メリットは、元々円よりも金利が高く設定されていることです。
そして、円安になれば大きなリターンが得られます。
デメリットは、円高になれば元本割れ
(相場の下落などで、元の投資額を下回ること)の可能性があることです。
また、外貨預金として預けるには円を外貨に交換して、
日本で使用する際は、円に戻さないといけません。
預け入れと払い戻しどちらの場合も、その都度為替手数料がかかります。
さらに、円預金のような預金保険制度はありません。
外貨預金は円預金と比べて、ハイリスクハイリターンで、
手間とお金がかかり補償が手厚くないといえるでしょう。
万が一に備えて、生命保険に加入している方も多いでしょう。
生命保険の中には、「資産性」のある商品があります。
主なものに「終身保険」(一生涯に渡り保証が継続する保険)や
「年金保険」(公的年金に上乗せ補完する保険)があります。
メリットは、毎月支払う保険料のうち、一定額まで所得控除が可能です。
税制面で優遇されることは大きいです。
また生命保険本来の万一の際の保障が同時に確保できる面も大きなメリットの一つです。
デメリットは、資産を増やすことはあまり期待できないこと。
「終身保険」「定額年金保険」の運用方法ついては、後で説明します。
これまで、さまざまな資産運用策をお伝えしました。
しかし、医療法人の場合これら全てを利用できるわけではありません。
その理由が、厚生労働省の「特定医療法人の定款例」にあります。
医療法人設立の際は、これに従う必要があるのです。
この定款例のなかに資産についての項目があり、
「確実な銀行や信託会社に預け入れ、信託する。国公債や確実な有価証券に換え保管する」
(第7章第34条を要約)と書いてあります。
ですので、医療法人では、株式投資や不動産投資、金投資は難しいのです。
さらに、「定款を変更するには、県知事の許可を得なければならない」
(第9章第41条の要約)とあります。
この法律が医療法人の資産運用策を限定的にさせて、
資産運用に消極的にさせているのではないでしょうか。
しかし、定款に触れずとも医療法人で行える資産運用はあります。
それは、生命保険の変額保険を活用することです。
変額保険とは前述したとおり、死亡保障を確保し、
契約者が支払う保険料を保険会社がどのように運用するのかを指図できる保険です。
変額保険を取り扱う生命保険会社は、
株式、債券、REITなどいくつかのファンドを用意しており、
そのファンドの中から契約者が自由に選択することができます。
そして、その運用成果によって解約金額が変動します。
また、死亡保障額は最低保証されており、
運用成果によって目減りしないようになっているため、
万一の際の事業保障や死亡退職金等財源としても備えることが出来ます。
まさに、投資信託の機能を持った生命保険というイメージです。
投資信託と異なる点は、
(1) 理事長に万一の際には、死亡保険金が保険会社より支払われる
(2) 所定の要件を満たすと保険料の全額あるいは一部が損金算入となる
といった点です。
変額保険は資産を増やすより、持ち方(置き方)を変えて守りたい場合に適しています。
当然、保険金や解約返戻金が変動するので、リターンもリスクもあります。
一方で、運用を保険会社に任せることができるので、投資に不慣れな方でも十分に活用ができます。
ヒューマンネットワークでは、医療法人の理事長様に、
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「今後、医療法人・理事長の資産をどう守る?」を提供しております。
本ブログの内容も含む、医療法人の資産防衛の考え方についてまとめております。
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