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2023年11月07日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。経営者保険プランナー・相続診断士の近藤です。
以前ご面談をした社長様より、
「勇退後の生活資金として公的年金は少額かもしれないが大事な財源の一つと考えている。
だが、最近の運用状況が良くないというニュースを見て不安を感じる」
ということをお聞きしました。
公的年金が運用されているということ自体をご存知の方は多いかと思いますが、
・なぜ公的な年金を運用しているのか
・その運用実績の現状
などを詳しく把握されている方は少ないのではないでしょうか。
今回のブログでは、そんな公的年金の運用について簡単にお伝えしていきます。
日本の公的年金は、働く現役世代が納める保険料で
その時の高齢者の年金を給付する「賦課方式」です。
そのため、今の現役世代が将来受け取る年金は、
その下の世代が納めた保険料から受け取ることになります。
つまり、急速に少子化が進んでいる日本では、
将来の現役世代の負担が大きくなることが想定されています。
そこで、年金制度を持続可能なものにしていくために、
様々な取り組みが行われております。
その一つが年金積立金の活用で、
年金積立金管理運用独立行政法人(以下 GPIF)が管理・運用を行っています。
積立金とは、現役世代が納めた年金保険料のうち
年金の支払いなどに充てられなかったものです。
2004年の年金制度改正では、概ね100年間で年金財政の均衡を図る方式が導入され、
年金給付の財源はその年の保険料収入と国庫負担で9割程度賄われ、
残りの1割程度が積立金から賄われています。
GPIFは、この積立金が急激なインフレなど大きな経済変動が起きても、
実質的な価値を維持出来るように、管理・運用を行なっているのです。
では次に、その運用状況について見ていきましょう。
現在、年金積立金の長期的な運用目標は、
主務大臣である厚生労働大臣が定めた「中期目標」により、
「賃金上昇率+1.7%(実質的な運用利回り)」となっています。
運用目標に「賃金上昇率」が使われるのは一般的ではありませんが、
公的年金の保険料収入と年金給付が賃金水準に連動します。
そのため年金財政の安定に貢献するためには、
長期的に賃金上昇率を上回る運用収益を確保する必要があるそうです。
では、実際の運用状況はどうなっているのでしょうか。
下記は2022年度の運用実績です。
・収益率:+1.50%(年率)/ 市場運用開始以降[2001年度~2022年度]:3.59%(年率)
・収益額:+2兆9,536億円
実質的な運用利回りに関しては、
2001年の運用開始から22年間平均で3.59%となっており、目標数値を上回っています。
GPIFの運用については、
昨年度の「約20年ぶりの4四半期連続運用益赤字」というような
短期的な運用状況に関するニュースを目にすることが多いですが、
「長期的な目標に対しての運用状況は?」
という観点から公的年金の運用を見てみると、
見え方が変わってくるかもしれません。
今回のブログでは公的年金の運用についてお伝えしてきました。
いかがでしたでしょうか。
昨今、経営者の皆様からは公的年金の支給に関連して、
「悠々自適なセカンドライフを送るための資金準備」について
ご相談をいただくことが増えてきました。
24時間365日会社のことを優先している経営者の皆様こそ、
勇退後も充実した生活を送るべきだと私は考えております。
他の経営者様が実践した「退職金の受け取り方の工夫」など、
様々な事例やノウハウもございます。
ご関心がございましたらお気軽にお問い合わせください。
今回お伝えした公的年金の運用について「より詳しく知りたい!」という方は、
是非GPIFのホームページをご覧ください。
参照:「年金積立金管理運用独立行政法人」HP
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。