最新の投稿
アーカイブ
2024年07月23日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、事業承継アドバイザー兼事業承継・M&Aエキスパートの浦野です。
会社と家族に対して、重責を担っている経営者様から日頃、
色々なご相談をいただけることを嬉しく思っています。
経営者様が、生命保険の機能を活用するためには、
ご自身の解決すべき課題の正しい把握が必要です。
中小企業庁の「企業継続に関するアンケート調査*1」によると、
資本金が1億円以下の中規模法人では、
事業承継の要因として「先代経営者の死去」や
「体調悪化による事業承継」が合わせて23.1%、
全体の約4分の1を占めているというデータがあります。
注*1) 中小企業庁「企業経営の継続に関するアンケート調査」(2016年)
突発的な事業承継は、誰にでも起こり得る現実的なリスクです。
これに備えることがいかに重要か、日頃の相談から感じています。
特に後継者がいない場合やまだ経営者として未熟な場合、
社長の突然の不在がもたらす混乱は計り知れません。
誰が経営権を持つのか、どのように会社を運営していくのかが不明確なままでは、
従業員も不安を感じ士気が低下してしまい、
売上低下に繋がることが多々あります。
特に社長が、営業や製造・仕入れなどに陣頭指揮をとっていて、
大きな求心力となっている会社の場合、その影響は非常に深刻です。
突発的な事業承継が起きた場合、
家族と新経営陣が利益相反の関係になることで意見が対立し、
関係が悪化することがあります。
役員報酬が途絶える家族は、できるだけ多くの「死亡退職金」が必要ですし、
会社の求心力を失った新経営陣は、できるだけ資金流出を避けたいからです。
新経営陣は、会社の存続が最優先課題です。
仮に会社にお金があったとしても、お金がなければなおさら、
会社のお金を会社存続以外に使いたくない立場です。
会社のお金の使い途を決定するのは、新経営陣です。
法人で契約していた生命保険金が入ってきても、
社長が想定していた金額の「死亡退職金」が支払われるかどうかは分かりません。
家族が新経営陣をコントロールできる立場であれば心配は軽減されますが、
コントロールできなければ、家族は非常に弱い立場となってしまいます。
その結果、思っていたような「死亡退職金」の額が、
家族へ支給されなかった事例も起きています。
新経営陣と家族の関係が悪くならないようにするためには、
突発的事業承継から会社と家族を守る準備が必要です。
その方法は、相続が発生したら自動的に発動するプログラムを作っておくというものです。
具体的には、社長の影響力を形で残す『会社への遺言書』を作成するイメージです。
遺言書は、個人の財産を相続人にどう分けるのかを決めておくものですが、
会社への遺言書は、社長に万一があり不在となった時に、
会社に対して社長の影響力を行使できるようにしておくものです。
この会社への遺言書の作成にあたって大切なことは、残されたご家族の納税資金と、
生活資金を確保できる手段を作っておくことです。
そのうちの一つが、「死亡退職金」です。
これを確実に受け取れる仕組みを準備しておくことが第一優先課題となります。
役員構成や株主構成によって、「死亡退職金」の金額が減額されたり、
支給にストップがかかったりしないように、
予め事前に承認決議を取っておく手続きなどがあります。
また、株主構成や役員構成によっては、
議決権の過半数を超えるように「株主間合意契約書」を
事前に締結しておく手続きが必要な場合もあります。
自社株に課せられる相続税の資金が不足するような場合には、
相続の時に自社株を現金化する対策もあります。
このように、自社に、自分自身に起こりうる課題に備えておくことができれば、
突発的な事業承継が起きても会社の経営も安定し、
会社と家族間の関係も良好に保つことができます。
会社や家族へ起こりうる課題は、経営者自身の課題でもあります。
全てのことを理解されている経営者自身にしか、
解決することができません。
予め取り組んでおけば心配ごとから解放され、経営に専念することができます。
『会社への遺言書』の準備にご関心がある方は、
弊社のコンサルティング事業部までお問合せください。
TEL:0120-533-336 担当:浦野、有田
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。