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2024年09月17日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
オーナー企業にとって、将来誰が会社を継ぐのかという事業承継問題は、
企業の存続に関わる大きな課題です。
多くの経営者は、自身がいつか会社を離れる日が来ることを理解しているものの、
事前の準備が十分に行われていないことが少なくありません。
後継者選びや事業承継の具体的な進め方に対する知識や、
経験が不足していることがその一因です。
さらに、突発的な事業承継に備えて、
遺言書を作成することの重要性は多くの経営者が認識しているものの、
実際に遺言書を作成している人は非常に少ない状況です。
日本財団が2021年に行った「遺言・遺贈に関する意識・実態把握調査」によると、
実際に遺言書を作成している人の割合はわずか3.4%です。
「近いうちに作成しようと思っている」と答えた人を含めても、
全体の13.9%に過ぎません。
この結果から、多くの経営者が事業承継や財産分配について、
準備不足であることがうかがえます。
ところで遺言書は、個人の財産の分け方を定めるためのものです。
一方で、会社が法人契約の生命保険金を受け取る際には、
保険金は会社の財産となります。
個人の遺言書では法人の財産に関する使い途を決めることはできません。
それゆえ、オーナー家と新経営陣の間でトラブルの原因となり得るのです。
遺言書で個人の財産をカバーするほかに、
会社の資産や保険金の扱いについては、別途の対策が必要です。
オーナー企業が受け取る法人契約の生命保険金は、
会社の財産と見なされます。
例えば、法人で生命保険に加入している場合、
オーナー社長が亡くなった際に保険金が支払われますが、
その保険金の使い途を巡り、残されたご家族と新たな経営陣との間で、
意見の対立が発生することが少なくありません。
遺言書では個人の財産に関する取り決めはできますが、
法人の財産である生命保険金については、管理者である経営陣が決定権を持ちます。
このため、事業承継における大きなトラブルに発展する可能性があるのです。
前記のようなトラブルを回避するためには、
まず経営者自身が事業承継に対する明確なビジョンを持つことが重要です。
その上で、遺言書だけでなく、
法人の資産や生命保険金の扱いについても、
具体的な計画を立てておく必要があります。
特に、オーナー企業では、事業承継計画とともに、
法人契約の保険金を含む会社の財産についての取り決めを、
明確にしておく必要があるでしょう。
また、後継者の選定に際しては、事業の持続的な成長を考慮した上で、
後継者が適切に会社を引き継げるような体制づくりが求められます。
これには、後継者が経営に関わるためのトレーニングや、
支援体制を整えることが含まれます。
さらに、専門家のアドバイスを受け、
法的な手続きや財務面での準備を進めることが大切です。
税務対策や資産分配の問題も、
事業承継のスムーズな進行を妨げる要因となり得ますので、
これらを事前に整理しておくことが肝要です。
さらに、突発的な事業承継に備えるために、
経営者が元気なうちに遺言書の作成や、
事業承継計画の見直しを行うことをお勧めします。
万が一の事態が発生した際に、会社が混乱することなく、
スムーズに新しい経営体制に移行できるようにするためです。
多くの経営者が「まだ先の話だ」と考えがちな事業承継対策ですが、
早めの準備がトラブル回避につながります。
特にオーナー企業では、個人の遺言書だけでは
解決できない問題も多く存在するため、
事業承継計画を包括的に見直す必要があります。
このような事業承継に関する課題を解決するため、
ヒューマンネットワークグループでは、
定期的に著名な方をお迎えしてセミナーを開催しております。
2020年「大戸屋ごはん処」の取締役三森智仁氏をお招きし、
「お家騒動から学ぶ オーナー社長のリスクマネジメント」をテーマとした、
特別講演会を全国6大都市で開催したところ、
多くの企業様がご参加されて、おかげさまで大変好評でした。
そこでこの度、創業25周年感謝特別セミナーとして、
更に磨き上げた内容で、全国6大都市にて再び開催することとなりました。
他では聞くことが出来ない、お家騒動に巻き込まれた当事者の、
貴重な実話をお話しいただく予定です。
是非、万障お繰り合わせの上ご参加ください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。