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2015年03月04日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは!経営者プランナー・相続診断士の平田です。
昨日は桃の節句、ひな祭りでしたね。
埼玉県の鴻巣市役所では、住民から家庭で飾らなくなったひな人形(約5000体!)を集め、
日本一高いひな壇を作るイベントがあり、ニュースでも話題になっていました。
私の家では、ひな祭りを祝うことも年々少なくなり、
押し入れにいるひな人形がかわいそうに感じました。
来年からはもう少し盛大にお祝いできたらと思います。
さて、オーナー企業の後継者問題が深刻化する中、
M&Aなど親族外承継を検討する経営者が増えてきているようです。
M&Aといえば、かつては買収やのっとりというイメージがありましたが、
現在では企業存続の有効な戦略として認識が高まっています。
本日のブログでは、このM&Aの売却資金の使い道について
ある社長の事例をお話しいたします。
金型製品の製造・加工を行うA社の創業者、金子社長(仮名)は67歳。
専門的な分野で、自身の子供を後継者として育成することが難しかったことから、
事業承継の解決策としてM&Aを選択しました。
特殊な技術をもつA社の買収に名乗りを上げる企業は少なくなく、
同業の大手B社への売却が決まったそうです。
売却額は社長も納得の金額でした。
しかし、私がその資金の使い道を訪ねたところ、
金子社長は少し困った顔でこうおっしゃいました。
「実はそれを悩んでいるんだよ。
老後の生活資金はそれなりに準備しているし、現金をあまり多く持っていても
将来の相続で揉め事になったら困るからね。何か良い方法はあるものかな? 」
話を聞いてみれば、金子社長には3人の娘さんがいて、
会社には入らず、サラリーマンの妻として家庭を築いているそうです。
どのような形で財産を残しておけば、家族が揉めることなく円満に暮らしていけるのか。
社長の課題を解決する方法について一緒に考えることにしました。
色々な選択肢を比較してみた結果、
金子社長はM&Aの売却資金の一部を生命保険という形で、
3人の娘さんに残すことを決めました。
金子社長が生命保険を選んだのには、4つの理由があります。
①支払う保険料の総額よりも、死亡保険金が大きい
②すぐに現金化できる資産である
③保険金は受取人が指定でき、遺言書と同じような効果がある
④死亡保険金は、500万円×法定相続人数の金額が非課税である
具体的には、金子社長が亡くなったときに
3人の娘さんがそれぞれ5千万円の死亡保険金を受け取れるような
終身保険に加入することにしました。
よく聞く相続のトラブルで、現金を相続したために、
家族がそれぞれの取り分を主張して揉めるケースがあります。
金子社長からは、3人の娘さんに対して平等な金額を保険という形で資産を残すことで、
将来の揉め事のリスクを軽減できたとおっしゃっていただきました。
「経営者として忙しい日々を送ってきて、娘達には苦労をかけたこともあった。
これまで築いた資産が子供達や孫の将来の資金に役立ってくれれば一番だよ。」
と満足そうな様子で話す金子社長の姿が印象的でした。
M&Aの売却益(非上場株式の譲渡益)にかかる税率は約20%と、
役員退職金と同様に税制が優遇されています。
今回の金子社長のケースのように長年の功績に対して受け取ったお金を
よりよい形で次世代に残していくための方法として、
保険の活用を検討されてみてもよいかもしれません。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。