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2014年10月05日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、経営者プランナー、相続診断士の佐藤です。
突然ですが皆さんは「争族」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、相続からきた造語で、相続で親族が争うことをいいます。
相続トラブルというと、「自分の家族に限ってそんなことが起こるはずがない」
と考えてしまいがちですが、
事前の対策をとらないまま相続が発生すると、
残された家族はほぼ100%揉めることになるようです。
会社の経営を引き継ぐ後継者が財産のほとんどを相続し、
他の子どもには残すものがないとなれば、
兄弟の間の不公平感からトラブルが起こることもあるでしょう。
では社長が亡くなった後も、子どもたちが揉めないようにするには、
どのような準備が必要になるのでしょうか?
今日は社長に複数の子どもがいる場合の相続対策についてお話します。
【近藤社長のケース】
近藤社長(57歳)には、2人の子どもがいます。
後継者候補である長男は、専務取締役として同じ会社で働いており、
次男は別の会社で、サラリーマンをしています。
近藤社長はあと5年くらいで会社を長男に任せて、会長になる予定です。
約1億円ある社長の個人資産のほとんどは自社株と事業用資産なので、
後継者の長男に相続させるつもりでいます。
しかし、そうなれば長男に相続財産が集中し、
次男からは不満がでるでしょう。
そこで近藤社長が考えたのが、
次男に違うかたちで財産を残してあげることでした。
具体的な方法としては次のような保険を活用しました。
<保険契約のかたち>
契約者:社長
保障の対象:社長
保険金受取人:長男
①社長が亡くなったきに長男が保険金を受け取る保険に入る。(保険金1.5億円)
②長男は会社の財産をすべて相続し、保険金1.5億円も受け取る。
③長男は受け取った保険金のうち、1億円を次男に渡す (=代償分割)
以上の対策により、後継者には事業用資産1億円と納税用資金5,000万円。
次男には現金1億円を残してあげることができました。
【代償分割とは】
遺産分割のとき、特定の相続人が自分の相続分以上の財産をもらうかわりに、
ほかの相続人にはその代わりとして金銭を支払うという分割方法のこと。
今回のケースでは、保険を活用することで兄弟の争いを未然に防ぐことができました。
オーナー経営者の相続では、トラブルが会社の存続に大きな影響を及ぼしかねません。
そのような事態とならないよう、後継者と兄弟の財産分けについても
十分な対策を考えておくことが大切でしょう。
また、相続対策のための保険を会社の経費で準備する方法もあります。
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