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「相続時精算課税制度」の改正と注意点について

※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。

150420

こんにちは、経営者保険プランナー、相続診断士の畑元です。

昨年生まれた子供が、7か月を迎えました。


出張から帰るたびに、寝返りや座っていたりとできることが増えていき、

最近ではつかまり立ちをしています。


子どもの成長スピードには驚かされるばかりです。


新しいことができるようになる瞬間に

なかなか立ち会えないことが残念ですが、


父親の存在をアピールするため(?)、

仕事帰りや休日は子供と触れ合う時間を

たくさん作っていきたいと思います!


さて、平成27年1月より

相続時精算課税制度が改正となりました。


今回のブログでは、この制度の概要と、

活用する際の注意点などについてお伝えします。



<目次>
・相続時精算課税制度とは?
・おさえておきたい制度の注意点とは?
・おわりに




☑相続時精算課税制度とは?


相続時精算課税制度とは、

親から子(あるいは孫)への贈与について

2,500万円まで非課税で贈与できる制度です。

(2,500万円を超えた分については、一律20%の課税)


この制度のポイントは、贈与税の支払いが「免除」されるのではなく、

相続が発生したときに、相続税と合算して課税されるという点です。


簡単にいえば、税金の支払いが、

相続時まで先延ばしにできるしくみになっています。


相続時精算課税制度は、

平成27年1月以降の贈与から適用の範囲が拡大されました。

贈与する側の年齢が引き下げられ、

贈与を受ける側については新たに20歳以上の「孫」が加わりました。



【改正前】

65歳以上の親から、20歳以上の子への贈与が対象


【改正後】

60歳以上の親または祖父母から、20歳以上の子あるいは孫への贈与が対象



「暦年贈与の非課税枠の範囲内で贈与をしていくと長い時間がかかる。

もっと短時間で効率的に財産を贈与する方法はないか?」という

二ーズに応える生前贈与の手段が、この相続時精算課税制度です。


財産の評価については、相続時の評価ではなく「贈与時の価額」となりますので

今後値上がりする見込みがある資産の贈与に活用すると有効です。


また、アパートやマンションなど収益物件の贈与もおすすめです。

贈与後はその賃貸収入が子供や孫のものとなり

親の相続財産の増加を防ぐ効果があります。




☑おさえておきたい制度の注意点とは?


相続税精算課税制度は、贈与税の負担なく

まとまった資産を生前に贈与できるというメリットがあります。


ただし、制度を活用する場合には、

次のような点に注意が必要です。


①一定の直系親族間の贈与に限られ、年齢制限がある

→暦年課税と異なり、直系親族間の贈与に認められた特例です。

また、年齢要件を満たしていなければ活用できません。


②相続時精算課税制度を選択すると、暦年贈与は使えなくなる

→暦年贈与と相続時精算課税制度を同時に活用することはできません。

相続時精算課税を選択すると、暦年贈与は使えなくなります。


③孫が受贈者だと相続税の面で不利になることがある

→祖父から孫へ相続時精算課税を活用して贈与をし、祖父が亡くなった場合、

孫は相続人ではないため相続税2割加算の対象となります。


④相続時に小規模宅地等の特例が受けられない

→小規模宅地等の特例が適用となる宅地は、

相続時精算課税制度を使わない方が有利になる場合があります。


相続時精算課税制度を活用すべきかどうかは、

「誰に」「何を」贈与するかによっても変わります。


実行を検討される際は、税理士などの専門家に相談し、

メリット・デメリットをよく確認した上で判断されることをおすすめします。




☑おわりに


相続対策というと何から手を付けていいのかわからない

というお話を伺うことがあります。


しかし、学校や資格の試験に例えれば、

制限時間の中でわかる問題から解いていくのが王道です。


円滑な相続の実現のためには

いまからできる対策からスタートされることが必要なのではないでしょうか。


具体的な対策については、お気軽にご相談ください。








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