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2014年10月26日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、
経営者保険プランナー、相続診断士の中村です。
朝晩の冷え込みが厳しくなり、
熱燗の恋しい季節になってきました。
「酒は百薬の長」を口実に、ついつい杯を重ねてしまいがちな私ですが、
飲みすぎ&二日酔いにはくれぐれも注意したいものです。(苦笑)
さて今回は、お客様からのご相談が多い、
決算直前の生命保険の契約について
注意すべきポイントをお伝えします。
✔決算月に支払った年払保険料の経理処理は?
【A社のケース】
都内でソフトウェア開発業を経営している山本社長(50歳)
15年前に会社を設立し、順調に年商を伸ばしてきました。
今月も残り1週間というところで、
今期保険加入を検討しているとのご相談をいただきました。
社長「そういえば、決算月に支払う年払保険料は、
1年分を損金処理しても問題ないのかな」
そこで"短期前払費用の特例"についてお話しました。
保険料やリース料、事務所家賃など、
一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用については
1年以内であれば今期の損金に算入してもいいと通達にあります。(法人税基本通達2-2-14)
社長「なるほどね。よく分かったよ。」
決算に間に合うよう、手続きを進めていき、
保険に加入するための健康診断と保険料の支払いも完了しました。
✔特別条件付契約とは?
しかし、ほっとしたのもつかの間、翌月になって保険会社から
"特別条件付契約"の引き受けという連絡がきました。
保険会社は保険への加入を希望する人の現在の健康状態や
過去の病歴等を確認し、保険契約の承諾を決定しますが、
通常の引き受け基準で加入できない人であっても、
一定の条件を付けて契約を引き受けることがあります。
これを"特別条件付契約"といいます。
特別条件の内容は保険会社や商品によっても異なりますが、
保険金削減(加入してから一定期間は保険金が全額支払われない)や、
割増保険料(通常より割増された保険料を支払う)などがあります。
山本社長の"特別条件付契約"の内容は、
通常より割増された保険料を支払うというものでした。
山本社長は、血圧と尿酸値が高く通院中だったのです。
(お酒が大好きだっておっしゃっていたな・・)
"特別条件付契約"となった場合どういった対応が考えられるのでしょうか。
①割増分の保険料(=特別保険料)を支払う
②保障金額を引き下げ、保険料を調整する
③条件を承諾せず契約を取り消す
✔特別(割増)保険料が発生した場合の経理処理は?
山本社長は
「①割増分の保険料(=特別保険料)を支払う」を選択されました。
利益の繰り延べだけでなく、
経営者として万が一に備え保障も必要だと考えたからです。
社長「入れるうちに入っておくよ。
ところで"特別保険料"はいつの期で経理処理すればいいの?」
この経理処理については、お客様からよくご相談を受けます。
基本的には支払い日(保険会社の口座に着金した日)
が属する期に経理処理をすることになっています。
■決算を過ぎて特別保険料を支払った場合
→最初に支払った保険料は今期に、特別保険料は翌期に経理処理をします。
■決算内に特別保険料を支払った場合
→最初に支払った保険料と特別保険料合わせて経理処理できます。
山本社長ももう少し早くから検討しておけばよかったとおっしゃっていました。
✔おわりに
「持病があって、長年薬をのんでいる」、
「入院・手術歴がある」など、健康上の理由で、
「自分は保険に加入できないのでは」
と考えている方は少なくないようです。
しかし、今回の山本社長のように、
特別条件付というかたちであれば加入できることもありますし、
事前に引き受けの目安が確認できる保険会社もあります。
思わぬ病気やケガで
「保険に入れなくなってしまった・・・」と後悔する前に、
保険加入を検討される際は、一日でも早いお手続きをおすすめします。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。