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2014年10月30日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは!
経営者保険プランナー、相続診断士の肥後です。
最近は、街でマスク姿の人をチラホラ見かけます。
気温が下がりはじめ、体調を崩している方が多いのかもしれませんね。
皆さんも、体調には十分お気をつけください。
ちなみに健康マニアの私の、元気の秘訣は
「常温の水を毎日2リットル飲むこと」。
サラサラ血液&ピチピチ美肌(?)を目指して、
アマゾンでまとめ買いした水をガブのみしています。(笑)
さて、今回は前回に引き続き
「オーナー経営者の役員退職金」に関して、
お役立ち情報をお送りします。
✔退職金の分割支給は認められないって本当!?
前回の私のブログでは、
役員退職金に税務否認が増えてきていること、
そしてその代表的な事例として
1.役員退職金の額が過大と認定され否認された
2.退職の事実がないのに役員退職金を払ったとして否認された があり、
上記の否認をされないために事前準備しておくべきことについてお伝えしました。
「退職慰労金を何回かに分けて支給できる」
といったことをご存知の経営者の方は多いと思います。
代表取締役社長が取締役会長になった(いわゆる分掌変更)際に、
分割支給した退職慰労金が一部、損金算入を認めないとして
否認された事例をご紹介します。
✔退職金の分割支給が否認された事例とは
今回の事例は、
2億5000万円の退職慰労金を上記退職時に7500万円を支給、
その翌事業年度に1億2500万円を支給したところ、
1億2500万円については退職給与として取り扱えず、
会社の損金算入も認められないと判断されたものです。
会社は分割払いの理由として、
退職給与の全額を一括支給できる資金力がなく、
翌事業年度の銀行借入れを円滑に実施するためと主張しましたが、
株主総会議事録や取締役会議事録は存在せず、
退職金を計算した書面においても、
2億5000万円から7500万円を差し引いた残額については、
翌年以降3年以内と記載されるに留まっている状況でした。
よって本件の会社の処理は決算の状況を踏まえて、
恣意的に退職金の支給額を決定しているとみなされたわけです。
上記の事例からも、役員退職慰労金の分割払いをする際には、
会社法に基づいた書類の整備や
その整合性も重要な判断要素となるため留意が必要です。
✔おわりに
本件は、結果的に法人は損金不算入(1億2500万円×40%=5000万円)、
個人は賞与として総合課税(1億2500万円×50%=6250万円)と
ほとんどを税金にもっていかれる形になってしまいました。(税率は判例当時のもの)
願わくば、退職慰労金を一括支給できるように
会社の資金を事前に準備しておきたいものです。
その準備方法については次回以降のブログでお話したいと思います。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。