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2014年10月15日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、
趣味は食べ歩き。
経営者保険プランナー、相続診断士の上田です。
食欲の秋 。巷には美味しそうな食べ物が溢れていて、
毎日、「今日は何をたべようか」と
真剣に迷ってしまいます・・・。(笑)
旬の食べ物にパワーを頂いて、
仕事もプライベートもますます充実の秋!
といきたいものですね!
さて、平成27年1月から新しい贈与税の税制が施行されます。
将来の事業承継・相続対策の一環として、
既に生前贈与をはじめているという方にとって、
今回の贈与税の改正は気になるところかと思います。
ご存じの通り「贈与」には、
110万円まで贈与税の基礎控除があり、
受取る方の税負担を少なくするために、
控除の金額ぎりぎりで渡している方も多いようです。
しかし、実はこの贈与税の税率。
基礎控除を超えたとしても、
低額ならばそれほど税額は高くないということをご存知ですか?
今回は、贈与の税制を活用した効率的な資産移転の方法について
お話したいと思います。
✔贈与税の基本
贈与税は贈与を受ける方が納める税金です。
例えば、社長様が後継者に贈与される場合、
贈与税は後継者が支払います。
平成26年12月までの贈与は、
現在の贈与税の税制、
平成27年1月以降の贈与は、
新しい贈与税の税制が適用されます。
✔贈与金額は、「基礎控除の範囲内」がベストなのか?
【A社長(60)の事例】
奥様と後継者のご子息がいるA社長は、
10年前から、ご子息に毎年現金120万円を贈与しています。
贈与の税率は200万円以下10%(現税制)なので、
贈与税の負担は年間約1万円と、
少ない金額で済んでいます。
ただ、50歳から贈与を始めたにも関わらず、
10年間で移せた財産は合計1,200万円(税負担10万円)。
A社長は10年後に予定している事業承継までの間に、
合計5,000万円ほどの現金を贈与しておきたいと考えていますが、
このままのスピードだと、予定の金額に届きそうにありません。
そこで、A社長は贈与の金額を見直すことにしました。
✔短期間で、効率よく財産を移転する!贈与の上手な活用方法
A社長は、1年間に贈与する金額を増やすことで、
より短期間で多くの財産をご子息に移せるようにしました。
具体的には、これまで120万円ずつだった贈与額を、
年間500万円に引き上げたのです。
500万円の贈与を行うと、
基礎控除分を除いた金額の税率は20%なので、
控除額を除いた贈与税は53万円。
10年間では5,000万円の財産を移せます。(税負担計530万円)。
基礎控除の課税価格 = 贈与額-110万円(基礎控除)
贈与税額の計算 = 課税価格×税率-控除額
課税価格:500万円-110万円=390万円
贈与税額:390万円×20%-25万円=53万円
以上のように、A社長は贈与の金額を見直したことで、
基礎控除の範囲に近い贈与よりも、
格段に早いスピード資産を移転することが可能になりました。
✔変わる贈与税
今回の改正により、贈与税の税率は、
一般税率と特例税率の2つにわかれます。
特例税率とは、父母や祖父母などの直系尊属から、
20歳以上の子や孫に対して贈与される財産をいい、
一般贈与財産とは、それ以外の贈与を指します。
✔おわりに
相続税負担を減らす方法は多々ありますが、
「贈与」はいたってシンプルで、
確実に相続財産を減らせる方法です。
今回の贈与税の改正をきっかけに、
これからの贈与プランについていま一度、
考えてみるのもよいのではないでしょうか。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。