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『人を使うは苦を使う』ヒューマンネットワーク・メールマガジン(通号262号)

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2017/10/25号 ━━━

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 □■ 経営に役立つ書籍から ■□

  ※弊社代表自身が、読んで参考になった書籍から
  一部を抜粋してご紹介させていただきます。

 
 ■人を活かす12の鉄則「松下幸之助」より

 『人を使うは苦を使う』

 昔のことわざに
 『人を使うは苦を使う』というのがある。
 つまり、人を使うということはいろいむずかしく、
 苦労が多いという意味であろう。

 昔の封建時代には、
 主人の言うことは絶対である。
 君命とあれば死をも辞せずというのが
 道徳とされていた時代である。

 だから、主人のほうからすれば、
 部下は何でも言うことを聞くのだから、
 非常に楽といえば楽である。

 ところが、そういう時代でも、
 『人を使うは苦を使う』
 ということがいわれたのである。

 まして、今日は民主主義の世の中である。
 使うとか使われるといっても、
 それは一応職場だけの話であって、
 基本的にはみな平等、対等である。

 死をも辞せずどころか、
 上司の言うことでも、納得がいかなければ、
 従わないというような風潮になってきている。

 だから、ほんとうに人を使うということは、
 昔よりもさらに
 むずかしくなってきていると思う。

 かといって、それで「困った、困った」
 と言っていたのでは話にならない。
 そういうことを不平を言わずに耐え忍んで、
 さらにそこに喜びを感じるというような境地を
 幾分なりとも見出さなくては、
 ほんとうに人を使うということはできない。

 文字どおり、ただ苦を使う
 ということに終わってしまうだろう。
 それではどうしたらいいのか。

 人を使う場合に、
 基本的には『使う』という気持ちは
 もたないほうがいいのではないかと思う。
 それではほんとうに人を使うことはできない。

 共に働くというか、
 さらに一歩進んで自分が使われているのだ
 というところまで徹する。
 そういうことが必要だと思う。

 そこまで徹することができれば、
 『苦を使う』ということにもならず、
 むしろそこに一つの喜びを
 感じられるのではないだろうか。

 むずかしいことにはちがいないが、
 地位が上がれば上がるほど、
 多少なりともそういうものをもたなくては
 やっていけないと思う。

 事実、別のことわざにこういうのがある。
 『人を使うは使わるる』

   (PHP総合研究所編『人を活かす12の鉄則』より)


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