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◇◆━━━━━━━━━━━━━━━ 2019/06/26 ━━━━━━
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■ 相続トラブルを防ぐヒント 3
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相続トラブルを防ぐヒント、
「相続で失敗しないためにどうするか」
というテーマでお届けしています。
長らく相続に携わり、
答えを出してきた現役の相続コンサルタント、
『トラブル事例で学ぶ
失敗しない相続対策(近代セールス社)』
の著者でもある
吉澤相続事務所の代表取締役、
吉澤諭先生に解説をお願いして、
10回シリーズで掲載します。
3.生前贈与はトラブルの元!?
生前贈与がトラブルになったケースです。
親が子供や孫へ財産を渡す方法として、
生きているうちに渡すのが「贈与」、
死んでから渡すのが「相続」、
これが基本なわけです。
そして、原則として「遺産分割」は、
財産の前渡しを含めて話し合うことになります。
贈与はこの「前渡し」にあたります。
子供が複数人いたとして、
生前、特定の子供に沢山あげていたら、
その分、その子は相続の時には貰えません。
子供が3人いたある母親が亡くなり、
生前贈与がトラブルの引き金になりました。
母親は子供ではなく、
長女の孫に贈与していたのです。
このケースはどうなったでしょうか?
長女以外のふたりの子供は、
「孫に行った贈与を含めて、
3世帯で均等に分けよう」と提案しました。
一方で、長女は、
「母が孫に行った贈与は遺産分割に関係ない。
今ある財産を3等分すべきだ。」
と主張し、兄弟達の提案に同意しませんでした。
法律論か精神論かという話ですが、
法的には長女の主張が正しく、
結局、これ以上争ってもしょうがないと、
孫への贈与を考慮せず3等分することで
合意せざるを得なかったのです。
結果、表面的には合意したものの、
この遺産分割協議を通じて兄弟仲は険悪になり、
長女の子にまで波及し、
親族関係がギクシャクしてしまいました。
偏った生前贈与、
特に相続人以外の孫等へ贈与すると、
この長女のように、
貰い得になってしまいます。
少ない側とすれば面白くありません。
こういうケースは多々あります。
「教育資金の一括贈与」の非課税措置を覚えていますか?
2019年3月31日までの期限付きでしたが、
今回の税制改正で適用期間が2年延長されました。
非課税ですので活用しようと考えます。
しかし、必ずしも子供の数は均等ではありません。
年齢だって、通っている学校だって違います。
長女には子が2人、長男にはいなかった場合、
上限額1,500万円を贈与すると、
長女側:2人の子(孫)へ合計3,000万円、
長男側:子がいないので0円
となってしまいます。
このまま遺産分割を進めてしまったら、
不公平感がトラブルの元になります。
先ほどの長女のケースと同様です。
長男が不公平にならないように、
長男受取りの3,000万円の終身保険に入るとか、
揉めないように話し合っておくとか、
何等かの手を打っておく必要があります。
繰り返しになりますが、
これだけは覚えておいてください。
原則として、子へ贈与すれば「遺産分割」の対象になります。
相続しない孫へ贈与すれば「遺産分割」の対象になりません。
でも、孫の数や条件によって不公平感が出て、
揉める原因になります。
一旦、関係が拗れてしまうと、
修復が出来なくなってしまうので
くれぐれもご注意ください。
次回は、「借金も相続財産!」
というお話をしたいと思います。
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吉澤 諭 氏 プロフィール
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1級ファイナンシャル・プランニング技能士
社会保険労務士、宅地建物取引士、相続診断士
住友信託銀行、独立系コンサルティング会社、
あおぞら銀行で相続対策・事業承継
遺言・不動産等の業務に従事し、
2014年4月、株式会社吉澤相続事務所設立。
現在までに講師を務めたセミナー・研修は約1,200回、
セミナー出席者は延べ24,000人、
携った個別案件4,200件超。
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