メルマガの一部を公開しています。
◇◆━━━━━━━━━━━━━━━ 2019/07/17 ━━━━━━
日本全国12,428人の経営者へ配信中!
ヒューマンネットワーク・メールマガジン 345号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 相続トラブルを防ぐヒント 6
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
長らく相続に携わり、
答えを出してきた現役の相続コンサルタント、
『トラブル事例で学ぶ
失敗しない相続対策(近代セールス社)』
の著者でもある
吉澤相続事務所の代表取締役、
吉澤諭先生に解説をお願いして、
10回シリーズで掲載しています。
6.財産の一部だけ先に分割するのはやめよう!
遺産分割で、一部だけ先行して分割する人は結構います。
自宅だけ先に住んでいる長女に...。
会社の株だけ、まず長男に...。
一人暮らしの母親が施設に入るから3,000万円を母親に...。
など、理由はさまざまです。
全体の中で、それが大きくなければ、
さほど問題ではありません。
でも大きいと、後で調整が出来ず
トラブルの元になります。
結果、遺産分割のやり直しを求めても、
弁護士と税理士では意見が噛み合いません。
弁護士は「遺産分割のやり直しが可能ですよ。」と言います。
最高裁で「やり直しが可能」と判決が出ているからです。
一方で税理士に相談すると、
「できません」あるいは「贈与税がかかりますよ」と言います。
そのことが国税庁の通達に記述されているからです。
ある母親が亡くなり、
3人の子供たちで遺産分割を話し合いました。
長男が家族と自宅で同居していたため、
長男の主張に基づき、まず自宅を先行して、
長男名義に登記しました。
その後、自宅以外の財産について話し合います。
でも、調べると他の金融資産がほとんどありません。
これでは、法定割合どおり、
3人で3分の1づつ均等に相続するのは不可能です。
残りの2人の子供たちは、「不公平だ!」
と怒りをあらわにして、
弁護士と相談して、遺作分割のやり直しを求めます。
一方で、税理士には「贈与税が課税されることがある」
と押し止められて、結局、相続が行き詰ってしまいました。
このケースのように、
相続財産の全体像をつかむ前に、
一部だけ先行して遺産分割を行い、
名義変更などしてしまうと、
やり直しがきかず、
トラブルの元になる可能性があります。
相続財産が確定するまでは、
遺産分割の話し合いは行わないほうが無難です。
また、法的には何度でも、
遺産分割のやり直しが認められますが、
税務的には認められず、
贈与税や所得税が課税される場合があります。
冒頭にも書きましたが、先行して分割するケースは
結構見受けられますので、十分ご留意ください。
次回は、「相続時清算課税の注意点!」
というお話をしたいと思います。
****************************
吉澤 諭 氏 プロフィール
****************************
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
社会保険労務士、宅地建物取引士、相続診断士
住友信託銀行、独立系コンサルティング会社、
あおぞら銀行で相続対策・事業承継
遺言・不動産等の業務に従事し、
2014年4月、株式会社吉澤相続事務所設立。
現在までに講師を務めたセミナー・研修は約1,200回、
セミナー出席者は延べ24,000人、
携った個別案件4,200件超。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行:ヒューマンネットワークグループ
ヒューマンネットワーク株式会社
税理士法人東京会計パートナーズ
株式会社東京会計パートナーズ
https://www.humannetwork.jp/
[本社] 〒100-0004
東京都千代田区大手町1-5-1
大手町ファーストスクエアウエストタワー20階
電話:03-6212-5858 FAX:03-6212-5252
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。