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旧齋藤伸市ブログ
2025年02月05日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
近年、企業の初任給が急騰しています。
特に保険業界では初任給の引き上げが顕著となり、
新卒採用市場は熾烈な争いとなっています。
弊社でも頭の痛い経営課題の一つです。
この背景には、不祥事の影響による応募者の減少や、
スカウト型の転職支援の普及などがあり、
企業側は待遇面を強化することで、
人材を確保しようと考えていると思われます。
しかし、ここで疑問が生じます。
待遇だけで就職を決めることに問題はないのでしょうか?
そして、待遇だけで勝負するとしたら、
中小企業では太刀打ちできません。
新卒者は、大学では授業料を支払い、知識を得る立場でした。
しかし、企業に入れば給与を受け取りながら、
実務を学ぶ立場へと変わります。
つまり、企業側は新入社員に対し、
成長を見込んで先行投資をしているのです。
こうした中で、高待遇を提示することが難しい中小企業は、
人材獲得競争に勝つことは容易ではありません。
だからこそ「普通の人でも成果を生み出せる仕組み」を作ることが、
生き残るための鍵になるはずです。
これは、単に高待遇を提示するのではなく、
知恵を使い、採用戦略そのものを工夫することが重要です。
例えば、一部の企業では 「奨学金の肩代わり制度」 を導入し、
学費負担を軽減することで
優秀な人材を確保しようとしています。
返済を肩代わりする中小企業に対して、
補助金を出す自治体も出てきたと、
日本経済新聞に記されていました。
これにより、経済的な理由で大企業に流れがちな優秀な学生を、
惹きつけることが可能になります。
さらに、これを経費として処理することで、
企業側の負担を軽減する工夫もできます。
一方で、単に至れり尽くせりの待遇を用意することが
本当に最善の策なのか、慎重に検討するべきでしょう。
過剰な支援は、かえって本人の成長を
妨げる可能性もあると想像するからです。
では、中小企業はどのような人材を採用すべきなのでしょうか?
中小企業が求めるべきは、
「待遇の良さではなく、自ら成長し、
会社と共に歩んでいく意欲のある人材」です。
大企業のように豪華客船のような環境を整えることは難しいですが、
中小企業には小回りの利く駆逐艦のような強みがあります。
だからこそ、新しいことに挑戦し、柔軟に変化できる人材を採用し、
彼らが活躍できる環境を整えることが重要です。
採用すべき人材のポイントとしては、
以下のような要素が挙げられます。
・自ら考え、行動できる人材
・組織の成長と共に、自身も成長したいと考える人材
・待遇だけでなく、環境や仕事のやりがいを重視する人材
こうした人材を迎え入れ、最大限に力を発揮できる仕組みを作ることで、
中小企業は持続的な成長を実現できるのではないでしょうか。
人件費の高騰が進む今、大企業と同じ土俵で戦うのではなく、
中小企業ならではの魅力を最大限に活かし、
知恵を絞った採用戦略を打ち出すことが求められていると感じます。
皆様は、どのようにお考えでしょうか?
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。