2020年11月17日 ※税法上の取扱いについては、左の日付時の税制によるものです。
こんなケースがありました。
オーナー経営者が30億円の資金を会社に貸し付け、
会社はその資金でホテルを購入しました。
このままでは、相続が発生した際に、
30億円がそのまま相続財産としてカウントされてしまいます。
会社には、30億円をオーナー経営者に返済する能力がありませんでした。
そこで、ホテルで代物弁済をすることにしたのです。
購入時は30億円でしたが現在の時価を計算すると10億円でした。
それを現物としてオーナーに返済します。
当初は30億円の価値であっても、時価は10億円ですから、
返済されたと見なされるのは10億円のみです。
まだ、オーナー経営者には20億円の貸付金が残っていることになります。
一方で会社は30億円の不動産を10億円で売却したのと同じことになりますので、
その年に20億円の損失が発生したことになります。
そこで、オーナー社長は残ってしまう20億円分の貸付金を債権放棄します。
会社は債権放棄された分が利益となりますが、
20億円の損失がありますので相殺してゼロにすることができます。
結果的にオーナー社長の貸付金は解消され、
手元には時価10億円のホテルが残ったことになります。
相続が発生すれば、このホテルも相続財産に含まれ、
相続税の対象となるわけですが、ここでさらに節税をする方法があります。
小規模宅地等の特例を使うのです。
この特例は事業用あるいは自宅用の土地を相続した場合、
一定の要件を満たすと相続税評価額が8割減になるというものです。
評価が高い土地ほど効果が大きくなります。
前述のホテルの場合、建物の価値がどのくらいかわかりませんが、
土地部分の評価額が8割減になっただけでも相当な評価減になるはずです。
ちなみに事業用の土地の場合、400平方メートルまでが特例の対象となります。
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