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2019年02月19日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは、東京会計パートナーズの和田です。
事業承継の課題は100社あれば100通りあり、
その対策も一つではありません。あらゆる角度から検証し、
経営者のビジョンに寄り沿った解決策をご提案させていただきます。
今回はこれまでご紹介したブログを振り返りつつ、
改めて事業承継税制の検討をしてみたいと思います。
事業承継税制のメリットは
「無税で後継者に自社株を移転できる」という点です。
自社の現況に照らし、このメリットが有効であると考えられてはじめて、
事業承継税制を使うべきかどうかの検討が始まります。
この検討に際して、留意すべきリスクはいくつかありますが、
大きなものとしては次の2つが挙げられます。
●非後継者とのトラブルのリスク
後継者に兄弟や親族がいる場合には、財産分割の不平等感から遺留分の減殺請求を受ける可能性があります。
(「⑥ケーキから考える遺留分」参照)https://www.humannetwork.jp/blog/20181122.html
また、事業承継税制の適用に関与したことで、
その事業承継の当事者以外であっても
思わぬ形で影響が出るケースも想定されます。
(「③事業承継税制で相続税が増えた!」参照)https://www.humannetwork.jp/blog/20180726.html
●納税猶予の打ち切りリスク
事業承継税制の適用後、制度の打ち切り事由に該当しないよう注意が必要です。
(「⑦もしも、納税猶予が打ち切りになったら」参照)https://www.humannetwork.jp/blog/20190110.html
この2つに関連して、
事前に自社株評価は下げておくべきという思考も大切となります。
相続が発生した場合、
株価評価が下がっていれば、後継者以外の相続税額を引き下げる効果があります。
(「①事業承継税制と株価対策」参照)https://www.humannetwork.jp/blog/20180329.html
事業承継税制が打切りになった場合にも、
株価評価が下がっていれば、
納付すべき税額を小さくすることにもつながります。
こういったリスクの留意をする上で有効となるのが、
チェックシートによる状況整理です。
まず、事業承継税制の適用を受けることができるのか?
次に、事業承継にあたりどのようなリスクを内包しているのか?
自社の現状とリスクを改めて整理し、
果たして事業承継税制が自社の課題解決に有効なのか、
十分に吟味をする必要があります。
なお、平行して他のスキームも検討している場合には、
併用可能なのか注意が必要です。
例えば、ホールディングスを検討している場合、
会社が「資産保有型会社等」に該当すれば
事業承継税制の適用を受けることができません。
(「④事業承継税制が使えない!資産保有会社等とは」参照)https://www.humannetwork.jp/blog/20180925.html
事業承継税制の検討をする場合、
手続きスケジュールの把握も大切になってきます。
うっかり申請期限を過ぎてしまった、といった状況に陥らないためにも
いつまでに何をすべきか、丁寧なスケジュール管理が求められます。
(「②事業承継税制・認定までの手続き」参照)https://www.humannetwork.jp/blog/20180524.html
特に、入口となる「特例承継計画の提出」は重要度が高く、
場合によっては、内容が未確定であっても
とりあえずは期限(2023年3月31日)までに提出する必要があります。
(「⑤事業承継計画の誤解!?」参照)https://www.humannetwork.jp/blog/20181023.html
あくまでも、事業承継税制とは一つの選択肢であり、
重要な点は、自社の課題解決の特効薬になりえるかどうか、
というところにあります。
現状を把握し、課題を抽出して、
リスク対策を考える、というプロセスを通して、
自社に事業承継税制は適しているのか、慎重に検討する必要があります。
「事業承継税制は使えるのか?」とお悩みの際は、
ぜひ弊社までご相談下さい。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。