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2022年11月22日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。(税)東京会計パートナーズの山根です。
(税)東京会計パートナーズはヒューマンネットワークグループにおいて
相続・事業承継コンサルティング等を担当しております。
日頃、様々なことでお悩みの経営者様とご面談させていただく中、
弊社税理士へのご相談が多いテーマの一つが『役員退職金』です。
そこで今回は、『役員退職金 否認されるとどうなる?』についてご紹介します。
役員退職金の否認は、
(1) 退職していないと判断された場合
(2) 退職金としての法的な何かがない場合
(3) 退職金が不相当に高額であると判断された場合 の3種類に大きく分かれます。
(1) 『退職していないと判断される場合』とは
税務調査の際、退任した役員が「経営上主要な地位」を占めており、
退職とは認められないということで『退職の事実を否認』されるケース。
このケースの場合、会社・個人のダメージは著しいものとなります。
会社は退職金額の全額が損金不算入となり、法人税等の追徴課税が課されます。
さらに個人は、退職所得から給与所得と所得の種類が変更となり追徴課税が課されます。
そのため『退職の事実の否認』は最も避けるべきであり、
特に分掌変更の場合などは最大限の注意を払う必要があります。
(2) 退職金としての法的な何かがない場合とは
退職している事実は認めるものの、株主総会の承認を得ていないため
役員退職金を否認するというケースです。この場合は①と同じ追徴課税がなされます。
(3) 退職金が不相当に高額であると判断された場合とは
「税務署側としては退職していることは認めるよ。
でもあまりに金額が高すぎるじゃないか」という内容の否認です。
よく(1)・(2) のケースと混同していらっしゃる方も多いのですが全くの別物です。
会社は、「税務署が不相当に高額」と判断した部分のみが、損金不算入となり
法人税が課税されるのです。
つまり、[税務署が認定した退職金額]と[実際支給した退職金額]の差額が
法人税の追徴課税対象となります。そして、個人は退職所得のままです。
結論から申し上げます。答えはありません。
残念ながら役員退職金の適正な支給額は法律で決まっておらず、
税務署が世間相場や同じくらいの規模の同業他社との比較等を行い判断します。
そのため、この額なら大丈夫と言う判断はできないのです。
中には、規程を作ったから大丈夫か?というご質問をいただくこともあります。
こちらも要注意です。規程がある=認めるではありません。
規程通りに支給し、否認され裁判になったケースもありますが、
残念ながら会社側が負けています。
一方、退職の事実が認められれば、「不相当に高額と判断」された部分だけへの
法人税の追徴課税ならば多少救われると考え、希望する退職金額を支給する方もいます。
もちろんこの場合は、仮に否認された場合でも会社が困らないよう、
財源を確保しておくことが重要です。
当ブログではご紹介できませんでしたが、
役員退職金にまつわるご相談は非常に多く、
「退職直前に報酬を上げるのは問題ないか?」
「功績倍率の考え方」
「年金をもらうため報酬を下げているがどうしたらいいか」等々、
内容は多岐にわたります。
弊社には、退職金の否認リスクを減らすためのポイントに詳しい税理士がおります。
当ブログをお読みいただき、一度、専門家の話を聞いてみたいと思った方は
是非一度お問合せください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。