令和8年度税制改正のポイントを3つに絞って整理しました

※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。


こんにちは。
マーケティング部の緒方です。


2025年12月26日に、令和8年度(2026年度)税制改正の大綱が閣議決定されました。
条文や数字を細かく追うと大変ですが、
経営者にとって重要なテーマは大きく「3つ」にまとめることができます。


①物価高に対応した“所得税まわり”の見直し
②将来のための“資産形成・相続”に関する見直し
③企業の“投資・賃上げ・消費税”に関する見直し


今回のブログでは、この3つの観点から、
ポイントをかみ砕いてご紹介します。

<目次>
・所得税とNISAのポイント
・資産形成・相続対策に関わるポイント
・企業の投資・賃上げ・消費税に関するポイント
・まとめ:まず“影響が出そうな3点”を確認


〈物価高対応と所得税のポイント〉


まずは、給与や所得税に直結する部分です。


●極めて高い所得への負担調整

いわゆる“超高所得者”向けの負担調整(追加税)の計算方法も見直され、
基準となる特別控除額が約3.3億円から1.65億円に引き下げられ、
税率も22.5%から30%へ引き上げられます。

経営者の方で、給与・配当・譲渡益などを合わせた所得が非常に大きくなるケースでは、
今後の報酬設計・株式売却のタイミングに影響し得る部分です。


●NISA・年少者のつみたて投資

次世代の資産形成支援として、NISAのつみたて投資枠について、
口座開設可能年齢が0〜17歳まで拡大されます。
子ども名義のつみたて枠として、
年間投資枠60万円・非課税保有限度額600万円という枠組みが用意される形です。

「子どものうちから非課税で長期投資をしてあげる」という選択肢が現実的になってきます。

〈資産形成・相続対策に関わるポイント〉

次に、相続や贈与、不動産まわりの改正です。


●相続税等の財産評価の適正化(貸付用不動産・不動産小口化商品)

被相続人等が相続開始前5年以内に取得した一定の貸付用不動産は、
相続時の通常の取引価格(実勢価格)で評価する方向になります。

また、一定の不動産小口化商品については、
取得時期を問わず相続時の通常の取引価格で評価されます。
これらの改正は、令和9年1月1日以後に相続等により取得する財産の評価から適用されます。

このように、相続税の評価差の大きな要因となってきた
貸付用不動産や小口化商品に対して、
「評価額を実際の市場価格に近づける」流れが強まっています。



●教育資金一括贈与の非課税終了

直系尊属からの教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、
令和8年3月31日をもって“延長なし”で終了します。

これまで「一括で多額を贈与して教育資金枠を使っておく」スキームは定番でしたが、
ここが使えなくなるため、
今後は暦年贈与や他の制度を組み合わせた設計が重要になります。
贈与を検討している方は、早めの実行をおすすめします。


●住宅・固定資産税まわり

新築住宅に対する固定資産税の減額措置などは、
床面積要件の緩和やハザードエリアの見直しを行った上で、
適用期限が5年間延長されます。


住宅取得・建替えを検討している
経営者・ご家族にとっては、
税負担の見通しが立てやすくなる一方、
立地条件のチェックはこれまで以上に重要になります。

〈企業の投資・賃上げ・消費税に関するポイント〉

最後に、会社の投資や賃上げ、消費税に関する改正です。


●大胆な設備投資を促す新しい税制


「特定生産性向上設備等(仮称)」への投資について、
新しい税制措置が創設されます。


生産性向上設備等への投資額が一定規模以上
(大企業は35億円以上、中小企業者等は5億円以上)で、
計画上の投資利益率が年平均15%以上見込まれる場合など、
経産大臣の確認を受けた投資に限り、
即時償却か税額控除(取得価額の7%、建物等は4%)を選択適用できます。


中堅以上の企業向け色が強い制度ですが、
「大きな設備投資をするなら、税制もセットで検討する」
ことが一層重要になります。


●賃上げ促進税制の見直し

これまで設けられていた賃上げ促進税制について、
大企業向けの措置は令和8年3月31日で終了し、
中堅企業向けの措置も要件や控除率を見直したうえで、
令和9年3月31日をもって終了します。


教育訓練費に対する上乗せ措置も廃止されるため、
「賃上げさえすれば優遇が受けられる」という従来の発想から、
「賃上げは必要だが、税制に過度に依存しない給与設計」への転換が求められます。

併せて、法人事業税の付加価値割において、
雇用者給与等支給額の増加分を控除できる措置から大企業を除外するなど、
賃上げに関する税制全体が整理・縮小に向かう流れとなっています。


●インボイスと消費税の経過措置


インボイス制度開始に合わせて導入された
小規模事業者向け「2割特例」の終了後も、
令和9・10年分については、
個人事業者を対象に“売上税額の3割を納税額とする”特例が2年間設けられます。

免税事業者からの課税仕入れに対する経過措置は、
最終期限を2年延長しつつ、控除割合を段階的に7割→5割→3割へと引き下げ、
1事業者あたりの年間適用上限仕入額も10億円から1億円に引き下げられます。

「いつまでインボイスに慎重でいられるか」
「免税事業者との取引をどう整理するか」について、
改めて戦略を立てる必要が出てきます。

免税事業者からの仕入れが多い、
飲食・小売業や建設・不動産業の方々は
しっかりと押えておきたいポイントです。

〈まとめ:まず“影響が出そうな3点”を確認〉


令和8年度税制改正は細かい論点も多いのですが、
経営者の皆さまにとって、まず確認していただきたいのは次の3点です。

・ご自身、ご家族の「所得税・NISA・教育資金」の設計を、
 この改正後のルールで見直す必要があるか。

・自社の「設備投資・研究開発・賃上げ」の計画について、
 新しい税制を使える余地がないか。

・インボイス・消費税の経過措置が終わった先の数年間を見据えて、
 取引先との関係や自社の登録状況をどうするか。

今回ご紹介した内容は、
大綱ベースの概要であり、
今後の法案・施行の段階で細部が変わる可能性があります。

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出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.pdf

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