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2021年07月08日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
こんにちは。経営者保険プランナーの橘田です。
日頃、お客様の決算書を拝見していると、
貸借対照表に多額の仮払金が記載されているケースがあります。
その実態は、役員が法人から借りている資金ということが多いです。
今回は、実際法人からの貸付金があるK社長のご相談事例を紹介いたします。
コロナ禍での売上低迷の影響で、資金調達を検討しているさなか、
金融機関から「今後、社長への貸付金を清算してください」と言われてしまったK社長。
そもそも、何故法人からK社長に対して、貸し付けが必要だったのかというと、
「代表交代にともない、先代からの自社株買い取り代金が不足してしまい
会社からK社長が一時的に借りた」という経緯でした。
そして、金額が大きかったため、そのままになっている状況でした。
お客様の中には「将来、役員退職金を支給するときに、清算できるので問題ない」
と考えている方も少なくないようです。
しかし、今回のように資金調達を検討する際、出来るだけ早く
決算書の見栄えを改善しなければならない場合があります。
また、このままの状態で、K社長に万一があった場合、
「役員貸付金」としての債務をご遺族が引き継がざるを得ないというリスクは
考えていなかったそうです。
一般的な清算方法としては、
「役員報酬を増額し、返済する」
「個人所有の資産を会社に売却」
「役員貸付金の債権放棄」
などの方法が挙げられます。
しかし、現実的には難しいケースが多いようです。
そんな中、K社長が選択された方法は
社長に対する「役員貸付金」の「債権」をリース会社に債権譲渡する方法です。
流れとしては、下記のような仕組みになっています。
・「債権譲渡契約」を三者間(社長・法人・リース会社)で締結
・ローン会社が社長宛ての債権を法人から買い取りを行う
・社長の債務履行を担保する為、法人から換価性の高い担保を提供する
(※今回は、被保険者が社長の「生命保険」に法人名義で加入)
・法人名義の保険に対して、ローン会社が質権設定を行う
・決算書上の「役員貸付金」は「保険積立金」に変わる
・その後、社長が毎月ローン会社へ返済を行う
K社長からは「役員貸付金」を清算し、
保険積立金に変わったことで、会社の財務体質が改善したので、
金融機関からの融資も受けられることになったと連絡がありました。
さらに、担保として社長被保険者の保険に加入したことによって、
返済中に社長に万一が起きたとしても、
会社に入る保険金でローン会社への返済が可能です。
結果的に、ご家族がK社長の負債を引き継ぐというリスクは、免れることになります。
また、将来返済が完了した後は、生命保険の解約返戻金を、生前の退職金原資として
活用できるため、一石二鳥だと感じていただけたようです。
上記のような方法は、財務状況・お身体の状況によっては実行ができないケースもあります。
ご関心のある方は、是非お問合せください。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。